賃貸事務所に関わるQ&A

敷金(保証金)て物件によってなんで安かったり高かったりするの?
12ヶ月というのは妥当ですか?

敷金(保証金)は貸主がテナントにかける保険のようなもの。テナントの与信がよければ交渉は可能ですが、最低限の預託金は決められています。何で決めているかというと、一つ挙げられるのは解約予告が長いオフィスは敷金の預け入れ金が比例して高いです。
例えば解約予告6ヶ月の賃貸事務所がある場合、万が一テナントが賃料不払いとなってしまった場合、貸主は催告の上解約解除をすることになります。
その際、すでに解約予告期間の6ヶ月相当の解約金と滞納金の7ヶ月が必要となってきます。賃料不払いの解約解除権は2ヶ月滞納した場合、解除事項にあたるケースが多いので、解除事項手続きのときには9ヶ月の賃料支払い(解約期間賃料+滞納金3ヶ月)が発生しています。
また、退去の際には原状回復が発生するためプラスで賃料の3ヶ月相当が必要となってきます。
このように、解除権、賃料不払い金、原状回復金を重ねると敷金(保証金)12ヶ月という計算になります。

原状回復費用の貸主指定業者を外すことは可能なの?

結論からいうと外すことができません。賃貸借契約書の中に原状回復の工事は貸主が指定した業者でする旨の文言が入っている場合契約書の文言を外さない限り指定する業者を選べません。
もちろん、価格的に折り合いをつけることは可能ですので、複数者業者から相場を確認することが重要です。それをもって貸主の指定業者と話し合いをしましょう。

定期借家契約と普通借家契約となにが違うの?

事務所契約では住宅と同じように普通借家契約が主流となっていますが、大手デベロッパーの所有する賃貸オフィスでは定期借家契約が大半を占めます。
従来の定期借家契約の考え方は【 1.再開発の予定や老朽化が進み取り壊しを予定している。 】【 2.未来使用する予定が決まっており、短期で貸し出したい。】などが挙げられましたが、昨今の理由は上記理由に加え、一定の期間が来たら賃料の増減を見直したいという意図も含められるようになりました。
普通借家契約の場合も更新時に賃料見直しは貸主、借主互いにできる権利を有しますが、借主の方が強い効力となっており確実に賃料見直しができることを主張できます。
つまり、賃料の折り合いがつかない場合、契約を打ち切ることが貸主より可能となっている契約形態です。
普通借家契約の場合、契約期間満了の6ヶ月前から賃料改定の話し合いが行われますが、定期借家契約の場合は1年前から6ヶ月の期間中に話し合いがなくてはなりません。
普通借家契約と定期借家契約の違いは貸主の権利が主張できる契約形態と言ってもいいでしょう。