オフィスから退去する際には、原状回復工事が原則として必要です。住宅の場合、多少のクリーニング程度で敷金の一部が返金されることが一般的ですが、オフィスの場合はそう簡単にはいきません。どれだけきれいに使っていても、原状回復工事を行い、元の状態に完全に戻す必要があります。
原状回復工事は非常にコストがかさむため、経営者にとって大きな負担です。
しかし、これらのコストを丸ごと削減し、移転をスムーズに進める方法があります。それが「居抜きで退去する」方法です。この記事では、居抜きでオフィスを退去する方法やそのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
- 通常のオフィス退去で必要な原状回復工事について
- 居抜きでオフィスを退去する方法
- 居抜きでオフィスで退去するメリット
- 居抜きで退去できないケース
- 後継テナントの探し方
居抜きでオフィスを退去するとは?
居抜きでオフィスを退去するとは、オフィスの内装や設備をそのままにして、次のテナントに引き継ぐ形で退去することを指します。
居抜きという言葉は、飲食店、特にラーメン屋や美容院などでよく耳にしますが、ここ数年でオフィスにもこのトレンドが広がっています。通常、賃貸オフィスを退去する際には、原状回復工事を行う必要があります。その手間やコストを一部または丸ごと削減して、退去できる方法が居抜き退去です。
原状回復工事とは?
原状回復工事とは、オフィスを入居前の状態に戻すための工事です。オフィスを明け渡す際には借りたときの状態に戻してから貸主に返すこと(=原状回復)が契約書上で定められていることが一般的です。その際にかかる工事費用が「原状回復費用」となります。
住宅の場合、通常損耗の箇所を直すだけで済むことが多いですが、オフィスの場合はそうではありません。間仕切り壁や家具・什器の撤去、壁や床の張り替えなど、入居前の状態に完全に戻すことが求められます。この工事費用は1坪あたり5万円から15万円程度とされており、企業にとって大きな負担となります。
これまで、この原状回復工事の費用を削減するためには、コンサル業者に依頼をして「工事費用の減額交渉をする」方法しかありませんでした。しかし、近年はそのもう一つの解決策として、居抜きで退去する方法がスタンダード化してきました。
居抜き退去がスタンダード化してきた理由
居抜き退去がスタンダード化してきた理由は、働き方の多様化とオフィスの選び方の変化にあります。
従来、企業は5年から10年と長期間同じオフィスに入居することが一般的でした。そのため、わざわざ内装や家具・什器を残すほど状態の良いオフィスが少なかったのです。しかし、1年から3年程度の短期間で移転するケースが増え、状態の良いオフィスも増えてきました。
このような背景から、居抜き退去が一般的になりました。実際に弊社が運営する居抜きオフィス検索サイト「vivit(ビビット)」に登録されている居抜きオフィス(その他内装付きオフィスも含む)の登録数は年々増加しています。
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居抜き退去マニュアル
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居抜きでオフィスを退去する場合の流れ
まずは貸主の承諾を得ましょう。募集期限を定め、期限内に後継テナントが見つからない場合は原状回復するという約束をすることで、承諾を得やすくなります。原状回復工事の見積もりも依頼しましょう。
移転先へもっていく什器、残置したいリストを作成しましょう。現状のレイアウト図面もご用意ください。
造作や什器、クリーニングの実施など、引き渡しの詳細を詰めます。
原状回復工事費用の査定も可能ですのでご相談ください
貸主の承諾を得ないで後継テナントを募集してしまうとトラブルにつながる可能性がありますので注意しましょう!
居抜きでオフィスを退去する4つのメリット
オフィス移転に伴う原状回復義務について理解が深まったところで、居抜きで退去する場合の具体的なメリットを見ていきましょう。
- 原状回復費用の大幅に削減できる
- 家具・什器備品の廃棄費用の削減が可能
- 解約予告期間を短縮できる可能性がある
- 手間と時間を節約できる
原状回復費用の大幅に削減できる
最も大きなメリットの一つは、原状回復費用が大幅に削減できる点です。原状回復工事にかかる費用は、ビルの規模や内装の内容によりますが、小規模ビルでは坪当たり5万円から10万円、中規模以上のビルや大手デベロッパーの場合は7万円から15万円程度かかります。
しかし、居抜きで退去する場合は、原状回復義務を後継テナントに承継できることが多いため、これらの費用が最大でゼロ円になります。
家具・什器備品の廃棄費用の削減が可能
次に、家具や什器備品の廃棄費用を削減できる点も重要です。通常の退去時には、不要な家具や什器を廃棄する必要があり、これには多額の費用がかかります。しかし、居抜きで退去する場合、後継テナントにこれらの備品を引き継ぐことができれば、廃棄費用を削減できます。
これは、不要な什器や備品をリユースすることで、環境負荷の軽減にも寄与します。多くの産業廃棄物が発生する通常のオフィス移転に比べ、居抜き退去はSDGs No12「つくる責任、使う責任」にも貢献するサステナブルな選択肢です。
解約予告期間を短縮できる可能性がある
居抜きで退去することで解約予告期間を短縮できる可能性もあります。後継テナントが契約満期前に入居を希望する場合、合意解約を行うことで賃貸借契約を移行でき、その期間分の賃料を削減できます。これにより、余計な賃料負担を減らすことができます。
手間と時間を節約できる
最後に、手間と時間を大幅に節約できる点も見逃せません。通常の退去プロセスでは、原状回復工事や廃棄物処理業者の手配、関連する打ち合わせなどに多くの時間とコストがかかります。
しかし、居抜きで退去する場合、これらの手間を省略できるため、本来の業務に集中することができます。結果的に、移転のストレスを軽減し、スムーズな退去と新オフィスへの移行が可能になります。
以上のように、居抜きでオフィスを退去することには多くの利点があります。ただし、居抜き退去を自社で行う場合、テナント探しや各種手続きが煩雑になり、手間が増えることがデメリットです。それ以外には大きなデメリットはほとんどありません。
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居抜きで退去できないケースの例
居抜きでオフィスを退去することは多くのメリットがありますが、残念ながら、すべてのケースで居抜き退去が認められるわけではありません。以下に、居抜きでの退去が難しい場合について解説します。これらのケースを事前に理解しておくことで、退去の計画を立てやすくなるでしょう。
- 貸主が承諾してくれない
居抜き退去をするためには、貸主の承諾が必要です。貸主が同意しない場合、居抜きでの退去はできません。貸主の意向を尊重し、事前にしっかりと相談を進めることが重要です。 - 館内の別テナントが増床の意向を示している
同じ建物内の別テナントが増床を希望している場合、原状回復後の引き渡しが求められることがあります。このような状況では、貸主の指示に従い、原状回復工事を行う必要があります。 - 内装造作の遵法性が保たれていない
オフィスの内装が消防法などの法律や規制に違反している場合、居抜きでの退去は認められません。安全性の観点から、必ず原状回復を行い、法的基準を満たす状態に戻すことが求められます。 - 後継テナントを募集する期間が極端に短い
居抜きでの退去を希望しても、後継テナントを見つけるための期間が極端に短い場合、成功する可能性は低くなります。計画的に余裕を持ったスケジュールで後継テナントを募集することが重要です。
これらのケースを理解し、適切な対応を取ることで、居抜きでのオフィス退去がスムーズに進むようにしましょう。事前に貸主とのコミュニケーションをしっかりと行い、スケジュールを余裕を持って計画することが成功の鍵となります。
居抜きで入居したい企業を探す方法とは?
オフィスを居抜きで退去する際、後継テナントを見つける方法はいくつかあります。それぞれの方法には利点と注意点があり、適切に活用することでスムーズな退去が実現できます。
自力で探してみる
まずは、自分のネットワークを活用して後継テナントを探す方法があります。知り合いの経営者に相談したり、SNSを活用するのも効果的です。X(旧ツイッター)、Instagram、Facebookなどで「居抜きオフィスに入居してもらえる企業を探しています!」と投稿することで、広く情報を発信できます。
適切なハッシュタグやキーワードを使用することで、関心のある企業に効率的に情報を届けることができます。また、知り合いの経営者に紹介をお願いすることで、情報の拡散や信頼性の向上にもつながります。
ただし、居抜き退去にはビルの貸主の承諾が必要です。また、引き継ぎや引き渡しに関する細かい調整も求められるため、専門的な知識や経験が重要です。そのため、居抜き移転の経験がある不動産仲介会社を間に入れることをおすすめします。プロのサポートを受けることで、手続きがスムーズに進行し、トラブルを未然に防ぐことができます。
居抜きオフィス検索サイトに掲載する
もう一つの方法として、不動産業者が運営している居抜きオフィス専用サイトに物件を掲載することがあります。「居抜きオフィス 検索サイト」で検索すると、多くの不動産業者が運営しているサイトが見つかります。これらのサイトに物件を掲載することで、居抜きオフィスを探している企業に直接アプローチすることができます。
弊社が運営している居抜きオフィス専用検索サイト「vivit(ビビット)」では、会員数9,000名以上の顧客に対して、完全無料で情報を掲載することができます。さらに、専任の営業担当者が積極的に貴社のオフィスを顧客に紹介し、退去までのサポートを徹底的に行います。このような専用サイトを利用することで、後継テナントを効率的に見つけることができ、トラブルも少なくスムーズな移転が実現します。
【事例紹介】居抜き退去をされたお客様の成功事例
実際に、後継テナントが見つかったため、居抜きで退去することができた弊社のお客様の事例を3つご紹介します。居抜きでの退去を検討されている方はお気軽にご相談ください。
IT関連企業(恵比寿/約100坪)の場合
恵比寿エリアにある100坪のオフィスを使用していたIT企業が、居抜きで退去した事例です。この企業は、原状回復工事を行わずに居抜きで退去することで、約2,000万円のコストの削減に成功しました。
今回の事例では、原状回復工事費用の見積もりは坪単価20万円でした。100坪のオフィスで計算すると、その総額はなんと2,000万円にのぼります。
このIT企業は、後継テナントを見つけて居抜きで退去することに成功。これにより、2,000万円の原状回復工事費用を丸々カットすることができました。言い換えれば、2,000万円の削減を実現したことになります。
ECサイト運営企業(中目黒/約230坪)の場合
中目黒エリアに位置する230坪のオフィスを利用していたECサイト運営企業が、居抜きで退去を行った事例です。居抜き退去により、大幅なコスト削減を実現しました。
今回の事例では、原状回復工事費用の見積もりは坪単価17万円で、230坪のオフィスの総額は約4,000万円にのぼります。
この企業は、後継テナントを見つけることに成功し、居抜きで退去することで、4,000万円もの原状回復工事費用を丸々カットすることができました。
電気機器企業(神谷町/約160坪)の場合
神谷町エリアにある160坪のオフィスを利用していた電気機器企業が、居抜きで退去を行った事例です。この企業は、居抜き退去により多額のコスト削減を実現しました。
今回の事例では、坪単価23万円で見積もられ、160坪のオフィス全体で約3,800万円の費用がかかる見込みでした。
この企業は、後継テナントを確保することで居抜き退去が可能となり、結果として約3,800万円の原状回復工事費用を全額削減することに成功しました。
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お急ぎの方は0120-733-336までご連絡ください
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まとめ
居抜きでオフィスを退去する方法は、原状回復工事の費用を大幅に削減できる効果的な手段です。従来の退去方法とは異なり、オフィス内装や什器をそのまま引き継ぐことで、時間と手間も省けます。これにより、コスト削減だけでなく、環境への負荷軽減にも貢献できます。しかし、居抜き退去には貸主の承諾が必要であり、後継テナント探しや契約の調整も重要です。
もし、居抜き退去に関心がある方や具体的なサポートが必要な方は、ぜひお気軽にご相談ください。当社の専門チームが、最適なソリューションを提供し、スムーズな退去と移転をサポートいたします。
情報収集をされている方は、以下より居抜き退去マニュアルをご覧ください。
コストを抑えてオフィス移転をしませんか?居抜きでオフィスを退去することで大幅にコストを抑えることができます。居抜き退去の基本から、必要書類、流れ、注意点などをまとめた資料を、下記のボタンより無料でダウンロードいただけます。
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