居抜きオフィスは、近年多くの企業が選択する効率的なオフィスタイプです。従来のオフィス移転は、移転をする度に「新たな内装工事」や「設備の設置」に多大な時間と費用がかかりますが、居抜きオフィスは前のテナントが残した内装や設備をそのまま活用するため、これらの負担を大幅に軽減できます。
本記事では、居抜きオフィス移転の具体的な流れについて解説します。物件選定から契約手続き、引越し準備、そして新オフィスでの業務開始までの各ステップを詳細に説明し、スムーズな移転を実現するためのポイントをご紹介します。居抜きオフィスの利点を最大限に活用し、効率的に移転を進めるための実践的なガイドとしてご活用ください。
居抜きオフィス移転:物件選定から契約までの7ステップ
居抜きオフィスへの移転は、通常のオフィス移転とは異なり、特有のステップと注意点があります。効率的な移転を実現するためには、流れをしっかりと理解し、計画的に進めることが重要です。
ここでは、居抜きオフィス移転の大まかな流れを解説します。
エリア・面積・入居時期などを鑑みて、物件選定を行います。居抜きオフィスは通常のオフィス物件と比べて、サイトに公開できない物件(未公開物件や会員限定情報など)が多いため、業者にニーズを伝えてピックアップしてもらう方がよりいい物件を探すことができます。
居抜きオフィスなどの内装付きオフィスの平均的な内見数は5棟程度だとされています。現地では建物についての説明はもちろん、設備やオフィス家具の引き渡し状態に関してもご説明します。
居抜きオフィスといっても、家具が承継できるかや内装の雰囲気などは物件によって大きく異なります。追加で内装工事が必要なのか、追加で購入する家具があるかなどは早めに把握しておきましょう。
居抜き物件は前テナントや貸主との調整事項が多いため、通常オフィスと比べると調整に時間がかかります。候補物件には早めに申込書を提出しましょう。
前テナントから譲渡される家具や引渡し方法、原状回復義務の所在などについて記載された書面を前テナントに用意していただきます。後々トラブルが発生しないように、ここはしっかりとお互いに確認し、認識をすり合わせる必要があります。
貸主との賃貸借契約をします。同じタイミングで前テナントと資産譲渡契約を締結することが多いです。賃貸借に関しては、必要な情報が重要事項説明書や賃貸借契約書に載っていますので、しっかりと内容を把握しましょう。宅地建物取引士が重要事項説明書については口頭で説明をします。
さまざまな手続きや手配を行い、移転をします。居抜きオフィスは内装工事がほぼ不要ですので、それ以外のインターネット回線や電話回線などの工事の手配を進めておきましょう。
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物件資料ダウンロード
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居抜きオフィス移転:各ステップの解説
居抜きオフィス移転を成功させるためには、各ステップを詳細に理解し、計画的に進めることが重要です。このセクションでは、物件選定から契約手続き、引越し準備、そして新オフィスでの業務開始までの具体的な手順を詳しく解説します。
効率的でスムーズな移転を実現するためのポイントと流れを押さえ、居抜きオフィスの利点を最大限に活用しましょう。
物件選定
物件選定は、エリア、面積、予算、入居時期、竣工年など、複数の要素を総合的に考慮して候補物件を絞り込むことが基本です。しかし、居抜きオフィスの場合、さらに特有の要素も考慮する必要があります。例えば、家具(什器)の引き渡しが全部なのか一部なのか、または全くないのかを確認することなどが重要です。
また、居抜きオフィスは前テナントの退去日が決まっているため、居抜きとして募集できる期間が限られている物件も多いです。よって、その期間内で物件を探す必要があり、スピーディな対応が求められます。
一方で、居抜きオフィスの物件選定において覚えておきたい点として、居抜きオフィスは前テナントの資産が関わっているため、通常のオフィス物件よりもデリケートな面が多く、サイトに公開されていない情報も多いオフィスです。
そのため、居抜きオフィスや内装付きオフィス専門のサイトを活用するか、専門の業者に問い合わせて物件をピックアップしてもらうことが推奨されます。移転時期が決まっている場合、物件選定は特に迅速に進めることが求められます。
内見と現地確認
気になる居抜きオフィス物件が見つかったら、まずは内覧することを強くお勧めします。通常のオフィス物件でも、現地に行ってみるとウェブサイトやパンフレットで見た印象とは異なることが多々ありますが、居抜きオフィスの場合は特に注意が必要です。前テナントが残した家具や設備があるため、細部まで確認しないと後から後悔することになります。
物件を検討するエリアにもよりますが、平均的には3〜5棟程度を内見するお客様が多いです。ただし、1棟だけで決める企業もあれば、10棟以上を内見する企業もいらっしゃいます。内見時には、設備や家具(什器)の引き渡し状態についてもあわせてご説明いたします。
また、レイアウト図面などを参考にしながら、自社での利用を具体的にイメージすることも大切です。候補として残る物件であれば、複数回内見することもおすすめします。初回の内見で感じた印象を再確認し、どの家具(什器)が残るのか、壁紙や床材の状態などを詳細に把握します。現地で具体的に確認することで、後のトラブルを防ぐことができます。
居抜きとして募集されていないオフィスを内見し、内装レイアウトが気に入ったということで居抜きでの貸出を貸主や前テナントに希望して交渉をし、実際に居抜きで借りた事例もあるくらい内見は非常に大切なステップです。
発生費用をイメージしておく
居抜きオフィスを選ぶ際には、発生する費用をしっかりとイメージしておくことが重要です。居抜きオフィスは物件によって、家具がどの程度承継できるか、内装の雰囲気が自社に合っているかは大きく異なります。
基本、居抜きオフィスの内装造作(例:会議室の壁など)は、一部撤去したいという希望は難しいケースが多く、すべてのそのまま受け入れるか、全く受け入れないかのどちらかになることが多いです。さらに、一部を撤去すると接続部分に影響が出て、新たなコストが発生する可能性が高いため、あまりおすすめしません。
よって、自社の使い方に合わせて追加工事や反対に撤去工事が必要になる場合があります。追加で内装工事が必要な箇所や、追加で購入する家具があるかを早めに把握しておくことが大切です。この時点では、譲渡される家具(什器)のリストは確定していないため、費用は多めに見積もっておくべきです。
申込書提出
居抜き物件は、通常のオフィス物件よりも調整事項が多いため、時間がかかることが一般的です。前テナントや貸主との調整が必要なため、候補物件が見つかったら、できるだけ早めに申込書を提出することをおすすめします。
特に、居抜きオフィスは募集期間が限られている物件が多く、通常のオフィス物件よりも選択肢が少ないため、検討期間を短縮し、迅速に行動することが求められます。
申込書を提出すると、必要な書類と共に貸主側による入居審査が行われます。この審査は通常のオフィス物件と同様に、企業の信用調査や決算内容、業種などを総合的に判断して行われます。
承継可能な家具(什器)リストの確認
居抜きオフィスの移転は、通常オフィスと違って、前テナントから引き継ぐ家具(什器)についてお互いが認識をあわせておく作業が必要になります。それにはリストが用いられることが多く、そのリストは通常、前テナントが作成します。
リストには、家具や什器の種類、個数、メーカー、品番、色などの詳細が記載されていることが一般的です。リストは引き渡し状態を明確にするための書面であり、イメージしやすいように写真を添付して作成してもらうと良いでしょう。このリストを基に、必要な家具と不要な家具を判断し、どの家具を承継するかを確定します。
また、内装造作の撤去についても、この段階で確定させる必要があります。承継できる家具や什器について、前テナントと貸主との間で認識を合わせておくことは、後々のトラブルを避けるために非常に重要です。どの家具を残すのか、どの家具を持ち出すのかを明確にし、書面で確認することで、双方の理解を一致させます。注意点として、時折家具(什器)の中にレンタル品(リース品)が含まれていることがあるため、それらが含まれていないかは必ず確認しましょう。
さらに、過去に施工された工事図面や消防署への申請書類の写しがあれば、それらも併せて入手するようにしましょう。これにより、内装や設備の詳細が把握でき、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
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契約手続き(賃貸借契約・資産譲渡契約)
条件が合意したら、貸主との賃貸借契約を締結します。これとほぼ同じタイミングで、前テナントとの資産譲渡契約(造作譲渡契約)を締結することが多いです。
賃貸借契約については、重要事項説明書や賃貸借契約書に必要な情報が記載されています。宅地建物取引士が口頭で説明をしますので、不明点があればここで確認しましょう。
一方、資産譲渡契約は、前テナントと後継テナントの間で締結されるもので、場合によっては貸主も契約に加わることがあります。この契約書には、承継する家具(什器)のリスト、権利関係、原状回復の承継、瑕疵担保責任などの詳細が記載されます。具体的には、どの家具や設備が譲渡されるのか、譲渡される資産の状態に関する責任の所在、原状回復義務が誰にあるのかなどを明確にします。
居抜きオフィスの引き渡し
契約手続きが完了すると、契約開始時期に合わせて居抜きオフィスが引き渡されます。しかし、引き渡されたからといって、翌日からすぐに業務を開始できるわけではありません。内装工事は済んでいますが、追加の工事が必要な場合や、インターネット回線工事や電話工事など別途必要な工事が多々あります。
スケジュール管理や工事業者との調整により、準備に1ヶ月以上かかる場合もあります。そのため、引き渡し日が決まったら、速やかに工事業者の手配を進めることをおすすめします。インターネット回線や電話工事など、業務開始に必要なインフラ整備を早めに計画し、スムーズに準備が進むようにすることが大切です。
また、引き渡し時に内装の破損や家具(什器)の故障が判明することがあります。こうした場合に、修繕や交換の責任が誰にあるのかを契約時に明確にしておくことが重要です。これにより、トラブルを未然に防ぎ、迅速に対応することができます。
まとめ
居抜きオフィス移転は、初期費用や時間を大幅に節約できる効率的な方法です。従来のオフィス移転では内装工事や設備の設置に多大なコストと時間がかかりますが、居抜きオフィスでは前テナントの内装や設備をそのまま利用することで、これらの負担を軽減できます。
本記事では、居抜きオフィス移転の具体的な流れを7つのステップに分けて詳細に解説しました。物件選定から契約手続き、引越し準備、そして新オフィスでの業務開始まで、各ステップをしっかりと理解し、計画的に進めることが成功の鍵です。
さらに詳しい資料や具体的なチェックリストは、下記からダウンロードしてご覧いただけます。これらの資料を参考に、居抜きオフィス移転を成功させるための準備を万全に整えましょう。
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