オフィスを移転する際、労力やコストなどが大きな負担になりますが、こうした課題を解決してくれる一つの選択肢が居抜きオフィスです。
近年、コロナ禍の影響により、改めて居抜きオフィスが注目を集めています。
今回は、居抜きオフィスのメリットや、借りる際の注意点、さらに同じように注目を集めているセットアップオフィスとの違いについても詳しくご紹介いたします。
居抜きオフィスとは?
居抜きオフィスとは、前のテナントが設置した内装やオフィス家具などを引き継ぎ、新たなテナントがそのまま使用するオフィスタイプをさします。
通常の物件は、造作が何もない”まっさら”な状態で貸し出されるため、引っ越す前に内装工事が必要になります。レイアウトプランを考え、内装会社と何度も打合せをしますので、費用だけでなく時間も労力も費やすことになります。しかし、居抜きオフィスの場合は、造作やオフィス家具が残されている場合があるので、設備を整える労力や初期費用を削減することが可能になります。
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コロナ禍で居抜きオフィスが注目を集めている理由
以前から、ベンチャー企業を中心に人気があった居抜きオフィスですが、それ以外の企業にも注目されるようになりました。それは、居抜き物件の物件数が増えたことが要因だと思われます。
コロナ禍以前は、企業の移転頻度は5年に1回程度と言われていました。そのため、居抜き物件も「入居して5年程度経過している」使用感のある物件が多くありました。ところが、コロナ禍でリモートワークが普及したことにより、「入居してまだ1年だけど、解約します」といった、まるで新品のような物件が急増し、そのまま居抜き物件として募集に出ることが増えたためです。物件の規模も、30坪程度のビルから100坪を超える大型物件も増えてきています。
また、コロナ禍が落ち着かない現状、移転におけるコストをなるべく抑えるために、居抜きオフィスが注目を集めているようです。
さらに、居抜きオフィスと同様に、什器やOA機器が備わっているレンタルオフィスや、貸主が内装や什器などを整えた状態で貸し出すセットアップオフィスを選択される企業も多くなってきています。
居抜きオフィスのメリット
居抜きオフィスのメリットについて詳しくご紹介していきたいと思います。
- 入居時の内装コストを削減できる
- 引越しまでの時間を短縮できる
- レイアウトプランを考えたり、工事の手配をする労力が省ける
- セットアップオフィスと異なり、通常の賃料で借りられる
- 廃棄物削減になり、環境への影響を抑えられる
居抜きオフィスのメリットと言えば、コスト面が一番です。通常、内装費にはとても大きなコスト(坪単価10万円から30万円程度が相場と言われています)がかかりますが、前の入居者の内装をそのまま利用できるため、一からオフィスの内装を整備するのと比べると大きなコスト削減となります。
また、施工にかかる時間も短縮できます。通常、内装工事を行う場合、人員構成からレイアウトを考え、内装業者に図面作成を依頼、修正、見積もりを依頼、発注、工事着工という流れで、施工完了・引渡しまでに実に4カ月ほどかかります(工事期間は1カ月から2カ月程度です)。
居抜きオフィスの場合は、最小限の工事で済ませられる場合が多いので、引越しまでの期間を短縮することができます。
さらに、セットアップオフィスの場合は賃料に内装工事費用が上乗せされていますが、居抜きオフィスの場合は通常の賃料で借りられるケースが多いようです。
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居抜きオフィスを借りる際の注意点
注意点は大きく2つあります。
- 引渡しの状態をしっかり確認する
- 将来の原状回復についても確認する
まず、居抜きオフィスの引き渡し状態は、物件により異なります。前の入居者が工事した内容を確認します。さらに、什器などの残置物をリスト化して共通認識にします。基本的には前の借主が利用していた中古品になるため、実際に使おうと思ったら壊れてしまっていることも考えられます。コストを抑えるために居抜きオフィスを選んだにもかかわらず、コストがかかってしまっては意味がないので、しっかり対応してくれる業者を通して、物件を選びましょう。
また、退去時にどのような条件で退去するかについてもしっかりと決めてから契約することをおすすめいたします。基本的には原状回復義務も承継することになります。将来的に発生することが想定される費用なので、あらかじめ、原状回復工事の見積もりを取得することをお勧めします。
- 内装の施工状況にもよりますが、原状回復工事費用の坪単価は3万円から10万円と言われています。
セットアップオフィスと居抜きオフィスの違いとは
セットアップオフィスとは、貸主側で事前に内装工事を行い、オフィスの受付や会議室、一部の什器を設えた状態にして募集している物件のことを言います。入居者はオフィスレイアウトを考える必要がなく、すぐに入居ができます。
セットアップオフィスと居抜きオフィスの共通している点は、内装工事の際における調整作業の手間を削減できるため、入居までの時間短縮ができることです。
そして、物件によっては、内装工事費や什器などの購入費用が削減できるため初期費用を大きくコストを抑えることができることも共通しています。
相違点は、セットアップオフィスはプロのデザイナーが設計した最新のオフィスレイアウトになっています。採用に効果的なおしゃれなオフィスに入居することができます。居抜きオフィスにもおしゃれな物件はありますが、前入居者のこだわりや、個性的なレイアウトプランの場合もあります。
また、賃料ですがセットアップオフィスの方が、本来借主側が行う内装工事をすでに行われているので、相場より上乗せして募集されることが多いようです。居抜きオフィスは、通常のオフィス物件と変わらないことが多いようです。ただし、ビルオーナーが総合的に賃料を判断するため必ずしも同等というわけではありません。敷金もセットアップオフィスの方が低いケースも多く、”ランニング費用よりも、初期費用や預け金を抑えたい”という企業に選ばれています。
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まとめ
コロナ禍や働き方改革の影響でオフィスの形を見直す企業は増え、都内では特にオフィスを縮小する傾向がみられます。居抜きオフィスを活用することで、コスト削減、時間短縮、労力を省け効率化が大きなメリットと考えられます。
また、近年はオフィスの形にいろいろな種類があり、その中でもセットアップオフィスとの違いをご紹介いたしました。それぞれの特徴や違いを理解し、より良い働き方を求めて自社に合ったオフィス探しをおすすめいたします。
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