セットアップオフィスとは「内装が完成された状態で入居できる賃貸オフィスのタイプ」です。このタイプのオフィスは近年、ベンチャー企業をはじめとした成長企業を中心に人気を集めていますが、一方で「賃料(ランニングコスト)が高い」との声もよく聞かれます。実際、セットアップオフィスの賃料は通常のオフィスよりも高く設定されており、1坪あたり3,000円以上が上乗せされています。
それでもなお、なぜセットアップオフィスが人気を集めているのでしょうか?この記事では、賃料が高くてもセットアップオフィスを選ぶべき理由や、賃料の減額交渉の余地などについて、オフィス移転業者の目線で解説します。
セットアップオフィスの賃料が高い理由を解説!
セットアップオフィスの賃料が高くなる理由はいくつかあります。内装工事費用や家具購入費用を貸主が負担しているため、そのコストを賃料に上乗せすることが一つの要因です。また、付帯設備が充実している場合も賃料が高くなる傾向があります。
セットアップオフィスは、入居者がすぐに使えるように、貸主が内装工事や家具の設置をしています。そのため、提供されるサービスや設備のレベルによって賃料が変わります。たとえば、セキュリティ設備や屋上テラス、フィットネスジム、シミュレーションゴルフ、サウナなどが充実している場合は、賃料が高くなる傾向にあります。自社が必要とするサービスや設備を考慮して、適切な物件選定を行うことが大切です。
それでは、実際に募集されているセットアップオフィス物件(内装工事済み/一部家具設置あり)と、通常のオフィス物件(内装工事なし/家具設置なし)の賃料を比較してみましょう。
通常オフィスとセットアップオフィスの賃料差
セットアップオフィスの賃料はエリアによって大きく異なります。通常オフィスの賃料相場に「約3,000円~10,000円程度」上乗せされているイメージをもっていただければいいと思います。以下の表は、2024年2月現在で募集されているセットアップオフィス(30~50坪)と通常オフィス(30~50坪)の賃料相場を比較したものになります。
2024年2月時点で募集されている物件の相場ですので、日々多少の変動はありますが、大体このくらいの差額が発生します。
エリア | 通常オフィスの賃料相場 | セットアップオフィスの賃料相場 | |
千代田区 | 18,816円/1坪あたり | 24,126円/1坪あたり | |
港区 | 22,609円/1坪あたり | 26,742円/1坪あたり | |
中央区 | 17,211円/1坪あたり | 23,217円/1坪あたり | |
新宿区 | 16,989円/1坪あたり | 21,279円/1坪あたり | |
渋谷区 | 24,150円/1坪あたり | 33,646円/1坪あたり |
セットアップオフィスの賃料は値下げ交渉が難しい
セットアップオフィスは、内装工事が完了しており、一部の物件では家具も設置されているため、移転がスムーズに行える魅力的なオフィスです。しかし、その分月額賃料が通常オフィスよりも高くなります。
例えば、千代田区で30坪のオフィスを借りる場合、通常オフィスでは月額56万4480円のところ、セットアップオフィスに入居すると月額72万3780円かかります。月間で約16万円、年間で約190万円の差額が発生することになります。(上図参照)
セットアップオフィスの賃料が通常オフィスよりも高いのであれば「賃料の値下げ交渉がしたい!」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、正直なところ賃料を大幅に下げるのは難しいことが多いです。セットアップオフィスの仲介実績が豊富な不動産業者の場合、交渉をして月額賃料を下げられる可能性は0ではありません。しかし、すでに費用が発生している内装工事費を考慮して賃料が設定されているため、大幅な値下げは期待しづらいでしょう。
コスト削減は「敷金」と「フリーレント」を活用するのがおすすめ
賃料の値下げ交渉が難しいからといって、コスト削減をあきらめる必要はありません。月額賃料以外に削減が可能なコストの1つ目が「敷金」です。通常、敷金は「賃料の〇ヶ月分」として徴収されますが、セットアップオフィスの敷金は物件によって異なり、3ヶ月から12ヶ月程度であることが多いです。セットアップオフィスでは、入居時に保証会社との保証委託契約を求められることが多く、この契約を締結することで数ヶ月分の敷金が免除される場合があります。
また、キャンペーン中の物件であれば、敷金が最大で0円になる物件も多数存在します。物件を探す際に、敷金をなるべく抑えられる物件を探したいとお問い合わせいただければ、そのようなキャンペーン物件を中心にご紹介することも可能です。
2つ目は「一定期間の賃料」です。不動産用語では「フリーレント」と呼ばれ、簡単に言えば一定期間の賃料が無料になる期間を指します。フリーレントが適用できる物件であれば、初期費用が抑えられるため、総合的なコスト削減に繋がります。フリーレントの適用期間は物件によって異なり、キャンペーン期間中のみ適用される物件もあれば、通常適用される物件もあります。キャンペーン情報は時期によって異なりますので、興味のある方はお問い合わせください。
オフィス移転・開設などでお困りの企業様へ ~仲介実績豊富なスタッフが担当します~
RAKNA(ラクナ)は、セットアップオフィス(内装・家具付きオフィス)の検索サイトです。成約実績が豊富なスタッフが「貴社に合うオフィス」をご提案します。「なにから準備をしたらいいか分からない」「○○エリアの賃料相場は?」などお気軽にご相談ください。お急ぎの方はお電話でお問い合わせください。(平日10:00~18:00)
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それでもセットアップオフィスをおすすめする3つの理由
さて、ここまでは「セットアップオフィスの賃料が高い」「セットアップオフィスの賃料は交渉が難しい」といったマイナス面に焦点を当ててきました。では、それでもセットアップオフィスを選ぶメリットは一体何でしょうか。
- 初期費用を大幅に削減できる
- 打ち合わせ・工事にかかる時間を大幅に短縮できる
- 楽でおしゃれで採用に強い
そもそも一般的なオフィスは、住宅のように間取りがありません。「受付の場所をどうするか」「会議室は何部屋設置するか」などは入居テナントが自由にレイアウトやデザインを決めることができます。また、壁材や床材も自社の雰囲気に合わせて変更するのが一般的です。ただし、自由度が高い反面、設計や打ち合わせに時間と内装工事費用、家具の購入費用がかかります。
こうした悩みを解決するのがセットアップオフィスです。内装工事や設計の打ち合わせにかかる時間とコストを削減できるだけでなく、家具付きの物件であれば家具の選定コストも不要になります。また、セットアップオフィスはおしゃれな内装や家具が多く、社員のモチベーション向上や採用の強化にも繋がります。オフィス内装は会社のブランドや信頼度向上にも重要な役割を果たします。
セットアップオフィスの場合、ランニングコスト(月額費用)は少し高めですが、通常オフィスに入居してから内装工事をする場合と、最初からセットアップオフィスに入居する場合の損益分岐点はおよそ3~5年程度と言われています。したがって、事業拡大などで再度移転する可能性がある企業にとっては、それまでの間にコストを取り戻すことができるでしょう。
セットアップオフィスをおすすめする企業・向いてない企業
これまで、セットアップオフィスの賃料やコストについて解説してきましたが、総合的に考えてセットアップオフィスを検討すべき企業はどういった企業でしょうか?以下に、内装付きオフィスの仲介実績が300棟を超える弊社が考える「セットアップオフィスをおすすめしたい企業の特徴」、反対に「おすすめしない企業の特徴」をまとめてみます。
- 10名~50名程度での利用を検討している
- できるだけ早く移転をしたい
- 現在SOHO・レンタルオフィスを利用している
- 成長・拡大途中のベンチャー企業
- オフィス移転にコストをなるべくかけたくない
- 会社資産をできるだけ持ちたくない
- 個人で利用したい
- オフィスの内装は一からこだわりたい
- 100名以上での利用を検討している
- 1つのオフィスにずっと入居していたい
- 特殊な内装レイアウトが必要である
- 初期費用より月額費用を抑えたい
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まとめ
この記事では、セットアップオフィスの賃料やその他コストについて詳しく解説しました。結論として、セットアップオフィスの月額賃料は一般的に高い傾向にありますが、初期費用が大幅に削減できることや、移転までの期間が短縮できるなどのメリットがあるため、選択すべき理由は多岐にわたることが分かっていただけたかと思います。
特に、経営者の視点から見ると、多くのメリットがあるオフィスタイプであり、そのためにセットアップオフィス移転が密かなブームとなっています。
弊社は、300棟を超える内装付きオフィスの仲介実績を持ち、業界でもトップクラスの実績を誇るオフィス移転コンサルティング会社です。今回ご紹介したセットアップオフィス以外にも、様々なタイプのオフィス全般の知識を有したスタッフが在籍しています。セットアップオフィスを検討してみようかなと考えている企業様はもちろん、自社に最適なオフィスを提案してほしいと考えている企業様も、お気軽にご相談ください。