セットアップオフィスの需要が高い企業とは？不向きな企業の特徴とその理由を徹底解説！

セットアップオフィスとは、通常の賃貸オフィスとは異なり、貸主側が内装工事を施し、場合によっては家具まで揃えているオフィスのことです。通常、オフィスを借りる場合、家具の購入や内装工事が必要ですが、セットアップオフィスではこれらの手間を省くことができます。最低限の準備（インターネット回線や電話工事）を行えば、すぐに業務を開始できるため、時間と労力を大幅に節約できます。

メリットが多いセットアップオフィスですが、内装工事やオフィス家具の購入費用が削減される一方で、月々の賃料は通常のオフィスよりも高く設定されることが多いです。このため、初期費用を抑えたい企業にとっては魅力的ですが、ランニングコストが気になる方もいらっしゃるかもしれません。

では、このようなセットアップオフィスはどの企業に需要があるのでしょうか？この記事では、セットアップオフィスの特徴がどのようなニーズを持つ企業に適しているのか、そしてどの企業にとっては不向きなのかをポイントごとに紹介していきます。

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セットアップオフィスの特徴

セットアップオフィスは「入居しやすく、退去しやすい」をコンセプトにつくられたオフィスタイプです。よって、通常オフィスよりも入居のハードルは比較的低いといえるでしょう。まずは、セットアップオフィスのメリットやデメリットを理解し、自社に合うオフィスかどうかを考えてみましょう。

セットアップオフィスのメリット

セットアップオフィスは、一部のオフィス家具や備品などを持ち込むことで、ビジネスをスタートできるため、迅速に移転業務を終わらせたい企業にとって魅力的な選択肢です。貸主側が内装工事やオフィス家具の設置を事前に行っているため、入居者は最低限の準備だけで済みます。また、高いデザイン性と機能性を備えており、プロによって設計されたオフィスは、社員のモチベーションや生産性を向上させる効果が期待できます。

初期費用の削減も大きな魅力です。内装工事や家具の購入が不要なため、入居時のコストが大幅に抑えられます。さらに、敷金が安く設定されている物件が多く、資金繰りを考慮する企業にとって助けになります。退去時の原状回復もスムーズに行え、時間を短縮できるため、オフィスの移転が容易です。

セットアップオフィスのデメリット

一方で、セットアップオフィスにはデメリットも存在します。既に内装やレイアウトが決まっているため、自由なデザイン変更が難しく、企業の独自性を反映させるのが難しいことがあります。また、賃料が高めに設定されているため、ランニングコストが増える可能性があります。物件数が限られている点も注意が必要で、希望する条件に合ったオフィスを見つけるのが難しい場合があります。

セットアップオフィスに需要がある企業の特徴

近年、セットアップオフィスの人気が急上昇していますが、その理由は企業のニーズにぴったりと合致する特長が多いためです。では、具体的にどのような企業がセットアップオフィスの恩恵を最大限に享受できるのでしょうか？このセクションでは、セットアップオフィスが特に適している企業の特徴について詳しく解説します。

短期間で移転をするベンチャー企業

成長中のベンチャー企業は、事業拡大や市場変化に迅速に対応するため、頻繁にオフィス移転を行うことがあります。セットアップオフィスは、内装工事費用が賃料に上乗せされているため、他のオフィスタイプよりも賃料が高く設定されています。

よって、セットアップオフィスに長期で入居する場合の損益分岐点は3～5年程度といわれており、その点を考慮しても、セットアップオフィスは短期利用に適しています。急速な成長に伴う頻繁な移転に柔軟に対応できる点が大きなメリットです。

オフィス移転に時間をかけたくない企業

オフィス移転で最も大変な作業の一つが内装デザインやレイアウトの設計です。

セットアップオフィスは、既に内装が完了しているため、最低限の準備だけで業務を開始できます。内装業者との打ち合わせや家具の選定が不要となり、通常の賃貸オフィスと比較して1～2ヶ月の時間を短縮できます。これにより、移転作業にかかる時間を大幅に削減し、業務の中断を最小限に抑えることができるため、迅速に通常業務に戻ることが可能です。

移転よりも事業にコストをかけたい企業

事業成長に資金を集中させたい企業にとって、セットアップオフィスは理想的です。内装工事や家具購入の初期費用が不要なため、資金を事業拡大や新規プロジェクトに投入できます。

さらに、保証会社を利用することで敷金が0ヶ月になる物件も多く、初期費用を大幅に削減できます。これにより、移転費用を抑えつつ、より多くのリソースを事業に集中させることができ、効率的な経営が可能になります。

SOHO・レンタルオフィスから移転をする企業

セットアップオフィスは、SOHOやレンタルオフィスからステップアップを図って移転を検討している企業に最適です。

セットアップオフィスは10坪～100坪の広さを中心に展開されていることが多い中、特に20～50坪程度の物件が多く、10名前後～30名程度の規模の企業に向けた選択肢が豊富です。手狭に感じ始めた企業が、プロフェッショナルなオフィス環境へ移行する際に、スムーズに対応できるため、セカンドプレイスとして需要があります。

また、セットアップオフィスは、準備期間が短く、迅速に新しいオフィス環境を整えられるため、成長中の企業にとって理想的な選択肢となります。

おしゃれなオフィスデザインを求めている企業

セットアップオフィスは、プロのデザイナーが最新のトレンドを取り入れて設計・施工しているため、おしゃれで機能的なオフィス環境を提供します。経営者や従業員の希望を取り入れるよりも、迅速かつ効果的に魅力的なオフィスを構えられるため、デザインにこだわる企業にとって理想的です。

また、デザイン性の高いオフィスは、社員のモチベーション向上や人材採用にも効果的であり、企業のブランディングにも貢献します。

銀行から融資を受ける予定がある企業

セットアップオフィスは、内装工事費用が賃料に上乗せされているため、会計処理が簡単です。内装費用の減価償却が未済のまま移転する場合、特別損益が発生し決算書に悪影響を及ぼす可能性があります。セットアップオフィスを利用することで、会計処理が簡便になり、銀行からの融資審査での評価が向上します。

また、決算書の見栄えが良くなることで、資金調達がスムーズに進む可能性が高まり、企業の信用力向上にもつながります。

港・千代田・中央・新宿・渋谷区にオフィスを構えたい企業

セットアップオフィスは、ウィズコロナ期に急速に拡大した新しいオフィスタイプで、特に主要５区と呼ばれる、港・千代田・中央・新宿・渋谷区などのビジネスエリアに多く存在します。交通アクセスが良好なこれらのエリアにオフィスを構えたい企業にとって、条件に合った物件を見つけやすく、セットアップオフィスは非常に魅力的な選択肢です。主要ビジネスエリアに位置することで、クライアントやパートナーとのアクセスが容易になり、ビジネス展開がスムーズに進むでしょう。

セットアップオフィスにあまり需要がない企業の特徴

一方で、セットアップオフィスに需要がない、つまりセットアップオフィスに不向きである企業は一体どのような特徴なのでしょうか。弊社が考える、セットアップオフィスをあまりおすすめしない企業の特徴を６つご紹介します。

独自のデザインを施したい企業

セットアップオフィスは、既に内装やレイアウトが決まっているため、自社独自のデザインやブランドイメージを反映させることが難しいです。どの企業も使いやすいデザインになっているため、自社の独自性を強く打ち出したい企業や、特定のデザインコンセプトを持っている企業にとっては、カスタマイズの自由度が低いセットアップオフィスは不向きです。

オフィスのデザインを通じて企業文化やブランドを表現したい場合、通常の賃貸オフィスでゼロから内装を構築する方が適しています。

初期費用より月額賃料を抑えたい企業

セットアップオフィスは初期費用が抑えられる一方で、月額賃料が高めに設定されていることが多いです。初期費用を抑えることよりも、月々の運営コストを低く抑えたい企業にとっては、ランニングコストの高いセットアップオフィスは不利です。

特に、安定したキャッシュフローを維持したい企業や、長期的なコスト管理を重視する企業には、同様の内装付きオフィスでも居抜きオフィスの方が適しているでしょう。

スタートアップ企業・個人事業主など

スタートアップ企業や個人事業主は、初期費用の削減が重要である一方で、セットアップオフィスの月額賃料は高額になることが多いです。また、スタートアップ企業や個人事業主の場合は1名～数名で利用できるオフィスを検討されることが多いですが、セットアップオフィスは20坪以上の物件が多いため、人数に合った物件の数はだいぶ限られてきます。

コストを最小限に抑えたいスタートアップや個人事業主にとっては、コワーキングスペースや小規模のレンタルオフィスの方が、コストパフォーマンスに優れた選択肢となります。

５年以上は移転する予定がない企業

セットアップオフィスは、3年未満程度など短期間での利用をコンセプトとした条件設定が多く、長期間利用する場合のコストパフォーマンスは低下します。5年以上の長期的な利用を計画している企業にとって、セットアップオフィスの高額な月額賃料は不利です。

長期的に安定したオフィス環境を求める企業は、通常の賃貸オフィスで内装工事を行うか、居抜きオフィスに入居して軽微な内装変更を行うことで、トータルコストを抑えることができます。

特定の設備やセキュリティ対策が必要な企業

セットアップオフィスは、一般的なビジネス環境に必要な基本設備が整っていますが、特定の業務に必要な特殊設備や高度なセキュリティ対策が求められる企業には不向きです。例えば、データセンターを設置する必要があるIT企業や、機密情報を扱うために高度なセキュリティ対策が必要な企業は、セットアップオフィスでは十分な対応ができない場合があります。

こうした企業には、特化した設備やセキュリティを自由に導入できる通常の賃貸オフィスが適しています。

多くの会議室や個室が必要な企業

セットアップオフィスは、一般的なビジネス環境に対応した標準的なレイアウトが多く、特定の業務に必要な多くの会議室や個室を備えることが難しい場合があります。多くの会議室や個室が必要な企業は、既存のレイアウトに柔軟に対応できないセットアップオフィスでは不十分です。

会議室の数や広さ、配置などに特化した要件がある場合、通常の賃貸オフィスで自由にレイアウトを構築する方が適しています。

実際にセットアップオフィスにはどのような企業がいる？

セットアップオフィス入居事例①【千代田区九段南・約28坪】

移転前は、シェアオフィスを活用されていた株式会社10バトン 様の事例です。

出向している社員が多い中で、そういった方々が気軽に戻ってこれる場所を確保することが課題となっていました。シェアオフィスなどの共有空間では、そうした個別のスペースを作り出すことが難しかったため、その解決策としてセットアップオフィスを選択されました。

セットアップオフィスは、シェアオフィスやレンタルオフィスに比べてデザインの自由度が高く、自分たちだけの独自の空間を作ることができます。この結果、従業員の満足度が大幅に向上し、社員が戻ってくる拠点として理想的な環境が整えられました。従業員が快適に働ける空間を提供することで、会社全体の生産性やモチベーションが高まり、非常に成功した事例となりました。

＞株式会社10バトン 様の事例をみる

セットアップオフィス入居事例②【港区芝浦・約52坪】

株式会社バックテック 様は、リモートワークからの出社増加により手狭になったオフィス環境を改善するため、セットアップオフィスにご移転されたスタートアップ企業です。

以前のオフィスでは、固定席やフリースペースがなく、打ち合わせも難しいほどの狭さで、働きやすい環境とは言えない状況でした。当初は、レンタルオフィスも検討されたそうですが、自社の文化醸成や企業ステージに合わないと判断し、また、スタートアップらしいスピード感を持った移転を目指し、セットアップオフィスを選択されたそうです。

＞株式会社バックテック 様の事例をみる

まとめ

セットアップオフィスの需要が高い企業と不向きな企業について、特徴とその理由を詳しく解説してきました。セットアップオフィスは、短期間で再度移転を行うベンチャー企業や、オフィス移転に時間をかけたくない企業、移転コストを抑えて事業に資金を集中させたい企業にとって理想的な選択肢です。一方で、独自のデザインを施したい企業や、初期費用より月額賃料を抑えたい企業、特定の設備やセキュリティ対策が必要な企業にとっては不向きである場合があります。

また、セットアップオフィスは、手軽におしゃれなオフィスを構えることができるため、従業員の満足度を高める効果も期待できますが、長期利用を計画している企業には月額賃料が高めに設定されているため、慎重な検討が必要です。企業のニーズや業務スタイルに合わせて、最適なオフィス環境を選ぶことが重要です。

弊社はセットアップオフィス検索サイト「RAKNA（ラクナ）」を運営しており、セットアップオフィスを含めた内装付きオフィスの契約実績も300件以上、累計面積23,000坪と豊富な実績を誇ります。物件探しだけでなく、移転目的の策定やその他のサポートも全て対応していますので、セットアップオフィスへの移転をご検討されている方は、まずはお気軽にご相談ください。移転の成功に向けて、全力でサポートいたします。