賃貸オフィスを契約する際によく聞く用語として「ネット」と「グロス」があります。賃貸オフィスに限らず、本来の意味としては、ネット(net)は正味・実質を意味し、グロス(gross)は全体を意味します。
賃貸オフィスにおいては契約面積を指すことが多く、ネット面積、グロス面積というような使い方をするのが一般的です。ネット面積とは実際に使うことが出来る面積を意味し、またグロス面積は実際に使える面積だけでなく、トイレや廊下、エレベーターホールなどを含んだ全体的な面積を意味します。
仮に同じ面積、同じ賃料の2つの物件があり、それぞれの面積の表記がネット面積とグロス面積で分かれているのであれば、ネット面積で表記されている物件の方が使える面積が多く、値段が安い、という判断が行えます。このように賃貸を契約する際は単に面積の広さや値段を見て考えるのではなく、実際に使える面積に対する賃料はいくらであるのかを考慮するとオフィス選びの参考になるでしょう。
しかし1点注意しなければならないことがあります。それは表記されている面積がネット面積であるのかグロス面積であるのかを明記していない場合です。50坪で契約したのにも関わらずグロス表記であったため実際に使えるのは40坪しなかった、というようなことにもなりかねないので注意が必要です。明記されていない場合の見分け方としては、同じ面積の他の物件と賃料の比較をすることで大まかにですが判断することが出来ます。例えば、明記されていない50坪10万円の物件と、同じく明記されていない50坪15万円の物件があれば、10万円の物件はおそらくグロス面積での表記であり、また15万円の物件はおそらくネット面積での表記だろう、とおおまかに推測することが出来ます。しかしこの方法はあくまでも推測に過ぎないので、契約の前に管理者に確認を取ったり、実際に物件に足を運んでおくことが大切です。