特区の歴史

特区とは行政上の特別区域のことで、多くの場合経済的な面で行政的、法的に特別な地位を与えられている地域のことを指します。日本においては小泉内閣のときの構造改革政策の一環として全国の地方自治体に設置された「構造改革特別区域」や、第2次安部内閣の成長戦略の柱の一つとして設置された「国家戦略特区」などがこれにあたります。

様々な特区の内容

こういった地域ではビジネスに有利な制度が多く利用できるため、オフィスの新規開設や他地域からの移転が活発になっています。
「構造改革特別区域」は2003年に施行された「構造改革特別区域法」に基づき、地方公共団体が地域の活性化を図るために自発的に設定する区域のことで、主なものとして北海道のビジネスフロンティア育成特区や神奈川県の国際ITビジネス交流特区、大阪府のビジネス人材育成特区などがあります。また「国家戦略特区」は第2次安部内閣が日本経済再生会議からの要請を受けて制定したもので、それまでの特区とは異なり計画の作成の時点で規制の特例措置が適用されるのが大きな特徴です。またベンチャー企業などが事業に取り掛かる際の金融支援を行ったり、設備投資や固定資産税、研究開発などの分野において減税されるなどの特例が適用されます。

特区の指定された範囲

国家戦略特区は東京圏や関西圏、福岡県福岡市、宮城県仙台市など10の地域が制定されています。これらの地域では行政上の改革がより進めやすくなるほか、民間を巻き込んだ改革ができます。また財政面においても余裕を持ってプロジェクトを進めることができることから地方公共団体にもメリットが大きいと言われています。

アジアヘッドクォーター特区

東京都内では港区や千代田区の皇居周辺、中央区の東京駅周辺などがアジアヘッドクォーター特区と定められており、税制の優遇や補助金などの財政支援のほか、賃料減額オフィスの紹介などが行われています。そのほか固定資産税や不動産所得税の免除などを受けることができるため、大きな注目を集めています。

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