不動産投資信託

日本では2001年にJREITが2銘柄で始まって以来、不動産が証券化され金融商品として扱われることは一般化しています。時価総額ではアメリカ、オーストラリア、フランスに次ぐ規模にまでなりました。
なおREITとは「不動産投資信託」のことです。

証券することでのメリット

不動産を証券化することによって、以下の3つのメリットが生じます。

1.リスクの転嫁

金利上昇のリスク、価格下落リスク、災害リスク、管理運営上のリスクなど収益目的の不動産におけるリスクは多くありますが、証券化によってリスクの転嫁、軽減、分散などが可能になります。

2.資金調達

不動産を保有しようとしても、信用力の問題でコーポレートファイナンスで有利な資金調達が難しい場合があります。しかし、証券化によって対象資産自体が持つ信用力をを使ったアセットファイナンスで有利な資金調達が可能になります。

3.会計上のメリット

不動産の保有者は、証券化によって資産を貸借対照表から落とす事ができます。これによって会計上は売却と同じ効果を得る事ができます。これをオフバランス効果と呼びます。

証券化の倒産隔離

投資家保護のために、不動産の証券化においては「倒産隔離」が行われます。これは、原保有者(オリジネーター)の倒産が証券化対象資産に影響を与えないようにすること、また証券発行主体(ビークル)自体が倒産手続きに入らないようにすることです。
また、不動産への投資を行い証券などを発行する証券発行主体(ビークル)は、信託が用いられる「契約型」と法人が用いられる「会社型」とがあります。どちらの場合でも、二重課税は回避される仕組みになっています。

プロジェクトファイナンス

また、事業自体の収益性により資金を調達できるような動きも出てきました。これをプロジェクトファイナンスと呼び、多くの場合は不動産開発事業における開発型証券化の際に見られる動きです。
都心の大規模プロジェクトもこの手法が利用されたものが多くあります。

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