賃貸オフィスの場合、トイレ数には設置基準があり、利用者が困らないように対策をする必要があります。法律で「事務所衛生基準規則」があり、この中にトイレの設置基準を設けているので、それに従わなければなりません。この規則では、事務所などで1人あたりが確保すべき空間や湿度などが具体的に定められているもので、「労働安全衛生法」の法律を実施するために厚生労働省が定めています。トイレに関しては、男女の区別と男女それぞれの大便所や小便所の個数を就業する人数で決めているのです。その他にも、空調設備や燃焼器具、給水器などの基準も書かれています。
まず、大事なことは男性用と女性用を区別することです。オフィスでは、男女兼用のものはほとんどなく設定されています。男性用大便所の数は、就業する男性の労働者60人以内に1つ以上です。男性の大便所は使用頻度が低いため、そのような設定になっていますが、なるべく個室は設けるようにしています。男性の小便所の個数は30人以内に1つです。女性の場合は、全て個室になるので、就業する女性労働者20人以内ごとに1つ以上と定められています。女性はトイレにいる時間が長いためにそのように設定され、多めに設定される方が丁度いいとされているのです。他にも、衛生的なことも記載されているので守る必要があります。便池は汚物が土中に浸透しないようにすることが必須です。また、事業者はトイレの便器などを清潔に保ち、汚物をしっかりと処理する、清潔な水を供給できる手洗い場を設けることも必要となります。
また、床面積あたりの収容人員密度を参考に設定する場合もあり、事業所や百貨店などで使われる方法です。人員密度と執務面積と男女比率を掛けあわせることで算定し、想定利用人員を予測することができます。賃貸オフィスの設計の際は、就業する男女の数をあらかじめ知ることはできないため、このような算定方法で予測をし、男女ともに快適に過ごせるように設計しているのです。