VAV(variable air volume system)とは、空調システム方式の一つです。
VAV方式は、可変定風量装置と訳されますが、室温に応じて送風量を変化させる機能を備えており、空調システムが室温を感知し設定されている温度に達したり、その温度を下回ると自動的に風量調整を行い室内温度を一定に保ちます。例えば、夏季シーズンに導入されているサマービズでは室温28度に設定されますが、VAV方式では室温が29度以上になると風量を上昇させ28度内にとどめようとし、28度未満であれば風量を小さくして室温を保とうとします。
風量調整は設定によって違ってきますが、おおよそ0.5度刻みで調整されることが多くなっています。
VAV方式のメリットは、変化する室温に応じて温度設定を変更する手間が省けること、省エネを通じて光熱費を削減できることです。
そのためオフィスビルや商業ビル、ホテルや旅館などの宿泊施設、展示場や体育館、工場や倉庫などを中心に幅広く利用されており、ほとんどの場合、業務用空調システムとして導入されていると言って良いでしょう。
VAV方式空調システムに対して、CAV(Constant Air Volume)がありますが、これは定風量装置と呼ばれており、室内温度の変化に関係なく、決められた風量を常に維持します。
VAV方式とCAV方式の異なる点は、サーモスタットの有無にあるといえます。
VAV方式の本体内部に内蔵されているサーモスタットが室温を感知すると、空調システムに内蔵されているモーターが羽の回転数を上下させることで風量調整する仕組みになっており、同系統の空調システム一体として導入されるのが一般的です。
このVAV方式は、業務用空調システムとして提供されているため、オフィスビルや商業施設などを中心に利用されていますが、家庭向け空調システムとしてのVAV方式は、ほとんどみかけません。
VAV方式は、省エネルギーや節電、経費削減に貢献する空調システムとして期待されています。