SOHOとは、Small Office Home Officeの略で、企業などから委託された仕事を、情報通信を活用して自宅や小規模事業所等で個人事業主として請け負う労働形態のことです。このように定義されていますが、情報通信機器を使用した在宅ワーク全般を指すこともあり、定義がはっきりしていません。
自営をしている方に限定しても、2012年の統計では約220万人にのぼり、現在もその数は増え続けています。企業では長時間労働が問題視されていますが、SOHO事業者にアウトソーシングを行うことで繁忙期の労働力を確保しています。組織に属さないライフスタイルを求める人と、人件費の削減や労務管理を行う企業の需要がマッチしている状況があります。
SOHO事業者の増加にはもう一つ理由があります。インターネットを媒体としたコンテンツ産業は急速に拡大しており、一つのコンテンツが以前ほど大きなビジネスにならない状況が発生しています。多様なコンテンツを数多く投入することが求められており、フルタイムでの雇用を約束する必要がなく、また高い技術を持ったSOHO事業者の需要が高まっているのです。
SOHOという名称ではありますが、ビジネスが拡大するにつれて自宅のスペースでは手狭になることや、事業者がクライアントと商談や打ち合わせを行う機会が増えていることから、共有できるワーキングスペースやレンタルオフィスが増えてきました。これらの施設を利用することで、郵便物などを事業所名で受け取ったり、自社オフィスとして使用することができます。
SOHO全体の課題として、契約関係が不明確であることから生じるトラブルの解決や、事業者とクライアント双方が安全な取引を行うためのひな形となるルール作り、ひいては事業者への社会保障システムの充実などがあります。インターネットの普及や大容量データのやり取りが容易になったことで広がった業態です。今後も変化を続けていくでしょう。