【共益費】(1)賃貸物件及びオフィスビルにおいて共用部分の管理・運営に用いる費用(住宅用語)
(2)同一の債務者について多数の債権者の利益のために費やされる費用(民法用語)
共有部分とは賃貸物件やオフィスビルにおいて誰もが自由に出入りできる場所のことです。階段・廊下・エレベーターなどが例に挙げられます。その他にも休憩所のような1室も共有部分に含まれます。その区分を所有する特定の人物しか利用できない共有部分は専用部分と呼ばれ、共有部分には含まれません。
共益費は入居者及び賃貸オフィス契約者が支払い、共有部分の水道光熱費・消耗品の交換費・清掃費など維持費として使用されます。休憩所などにテーブル・椅子・調理機器などを購入する際も同様です。その他に共益費の使用方法として庭・エレベーター・セキュリティなどの維持費があります。物件にこれらの設備がある場合は同様に共益費から賄われます。
しかし、共益費だけで管理を行うのは難しい場合が多く実際は管理者が賃料の一部を共益費に当てています。また、共用部分はあるものの倉庫など全て専用部分である場合は共益費を払う必要がないこともあります。専用部分と共用部分の違いは明確な決まりがなく物件によって異なるので契約前に確認しなければなりません。
一般的に物件資料には賃料と共益費は別々に記載されています。賃料が安い物件であったとしても共益費が相場より高く、管理費を含めた賃料を考えると高額な場合もあるので注意が必要です。物件選定の際は賃料だけではなく共益費も含めて見積もりをすべきです。
また、住宅用語以外にも民法用語としての意味も持っています。債務者の財産管理・清算・分配・強制執行などの費用として使用されます。区別するために住宅用語として使用する場合は「管理費」、民法用語として使用する場合は「共益費」と分けて言われることもあります。