フリーレント・均し賃料の考え方(段階賃料・レントホリデー)

物件を探したことのある方であれば、「フリーレント」という言葉をどこかで聞いたことがあると思います。

フリーレントとは、“入居後一定期間は賃料が発生しない”ことを指します。

今回は、お得にかしこくオフィスを賃貸するために知っておくべき「均し(ならし)賃料」について、また”フリーレント”の仕組みを組み合わせた考え方も一緒にご紹介させていただきます。

目次

均し賃料とは

フリーレント(FR・賃料免除)が獲得できた場合、契約開始から数か月間賃料の支払いが免除されます。

免除期間経過後、賃料支払いが発生しますが、フリーレント期間も賃料を支払っていたと仮定し、賃料総額を契約全期間に割り振り、月毎の賃料単価を算出したものを均し賃料と呼んでいます。

均し賃料の計算式

計算式は以下の通りです。

(賃料総額-フリーレント総額)÷契約期間=均し賃料

例)賃料@30,000円(共益費なし)、FR6か月、契約期間3年、の場合

30,000円×(36か月-6か月)÷36か月=25,000円となります。

賃料単価×(契約期間-フリーレント期間)÷契約期間=均し賃料

※共益費相当額がある場合は、賃料から共益費相当額を引いて上記計算をして、最後に共益費相当額を足します。

例)賃料@30,000円(FR期間中は共益費相当額として@5,000円支払い)、FR6か月、契約期間3年、の場合

(30,000円-5.000円)×(36か月-6か月)÷36か月+5,000円=25,833円となります。

※共益費相当額分は賃料免除されないため、均し賃料は高くなります。

会計上の処理について

続いて、フリーレントがある場合の会計上の処理について説明します。

会計上は、一定の条件を満たしている場合は、毎月の賃料を均し賃料で計上できます。

例)賃料@30,000円、100坪、FR12か月、契約期間3年、の場合

実際の賃料支払いは、1年目賃料0円、2年目3,600万円、3年目3,600万円となります。

しかし、会計上では、1年目2,400万円、2年目2,400万円、3年目2,400万円となり、毎年2,400万円として計上が可能です。

一定の条件とは、契約期間が定まっていることです。

具体的には定期建物賃貸借契約か、普通型賃貸借契約の場合は、初回契約期間中に解約した場合、賃料免除額分を違約金と支払う特約(フリーレント特約)があれば可能です。

フリーレント以外の賃料免除方法

フリーレントとは別に、2つの賃料免除方法がありますので、ご紹介します。

①段階賃料

段階賃料とは、契約期間中の賃料を段階的に上げていく方法です。

貸主が契約書上の賃料単価を維持したい場合に用いられることが多いです。

例)賃料@30,000円、100坪、契約期間3年、テナント予算@20,000円

極端な事例ですが、1年目賃料@10,000円、2年目賃料@20,000円、3年目賃料@30,000円と設定したとします。

この場合、契約書上の賃料は@30,000円となり、実際のテナントの賃料支払い(均し賃料)は@20,000円となります。

段階賃料は、大型ビルなどで、5年契約などの長期契約で用いられることがあります。

②レントホリデー

契約期間中、契約開始時期から数か月間ではなく、一定の時期の賃料を免除するサービスです。

例)賃料@30,000円、100坪、契約期間3年、テナント予算@22,500円

1年目の1ヶ月目~3か月目分賃料免除、4か月目~12か月目分賃料支払い

2年目の1ヶ月目~3か月目分賃料免除、4か月目~12か月目分賃料支払い

3年目の1ヶ月目~3か月目分賃料免除、4か月目~12か月目分賃料支払い

上記の場合、契約書上の賃料は@30,000円となり、実際のテナントの賃料支払い(均し賃料)は@22,500円となります。

②についてはフリーレントと合わせて利用されることもあるサービスで、契約上の賃料単価は維持しつつ、テナント側の希望賃料に近づけたい場合に用いられる手法です。

以上、賃料免除をする方法のご紹介です。

物件をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください!

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