壁を変えておしゃれなオフィスに!~壁・壁面のデザイン事例~

多様な働き方が求められるようになったと同時に、オフィスレイアウトが見直されているなかで、受付や個室を仕切るための壁が、今や社内外へのイメージをもたらす重要な役割を担うようになってきています。

素材や施工方法に工夫することはもちろん、オリジナリティーを生み出すためにウォールアートやグリーンを取り入れる事例も多くなってきています。

デザインで表情を造ることによって日頃から目にするオフィスも違ったイメージに感じることができるかもしれません。

オフィスの壁にはどのようなものがあって、どのような印象を与える役割を果たしているのか、オフィスデザイン事例をもとにご紹介いたします。

目次

造作壁とパーテーション

(1)造作壁の特徴

遮音性が非常に高いのが特徴で、音が伝わらないような空間を作りたいときなどに適しています。

かなり自由に設計することができ、「タイル施工」「グラフィック施工」「塗装施工」「クロス(壁紙)施工」など仕上げの種類も豊富なため、希望するデザインを柔軟に実現することができます。

建物の主要構造ではなく後付の壁ですが、複数の工程が必要になるため時間がかかり、移転・レイアウト変更時には取り壊さなければならないため、目的や用途をしっかりと考え、予め計画を立てて施工する必要があります。

(2)施工型パーテーションの特徴

パーテーションは一工程のため、コストを抑え、あまり時間をかけずに施工することができます。

また、施工型パーテーション最大の特徴は解体・再施工が可能なことで、一部を解体して必要な部分を増設することや、今使っているパーテーションを解体して、引越し先でもそのまま使うということが可能です。

かつては一般的な既存の壁に馴染むよう、ホワイトやアイボリーといった色が主流だったパーテーションですが、現在ではデザイン性にも注目が集まり、非常にたくさんのカラーが販売されており、いろいろな色を組み合わせて自由に空間を作ることができます。

デメリットとしては、遮音性が造作壁に比べて劣ること、曲線を作ることが出来ないなど、デザイン性が造作壁に及ばない点があげられます。

壁の色・材質の選び方

(1)色の選び方

多くの企業が壁の色として利用しているのは「ホワイト・アイボリー」になっていることが多いと思います。

しかし現在では、個人宅やカフェなどで、一部の壁紙の色だけを変える「アクセントクロス」が注目されていますが、オフィスであっても、このようなアクセントクロスを使ったデザインを採用している企業もあります。

壁全体の色を変えるとうるさいイメージになってしまうと感じられる場合は、このような取り入れ方をしてみるのもおすすめです。

青は涼しいイメージ、オレンジは温かいイメージというように、色には、それぞれの持つ印象や役割があり、クリエイティブな仕事が多いエリアでは、想像力をかきたてられやすいと言われているブルー系、落ち着いた雰囲気の場所ではリラックスできるグリーン系など、場所によってカラーを変えるのもよいでしょう。

受付に温かみを持たせたい場合は暖色を使い、反対に、知的さを表したい場合は寒色を使うなど、相手に感じさせたいイメージによって利用する色を変えるといった工夫をすることも可能です。

(2)材質

オフィスに利用される壁の材質は、一般的には壁紙や塗り壁が多いでしょう。

しかし、タイル地や木材を使った壁という選択肢もあります。こうした材質の壁にすることで、雰囲気は大きく変わります。 このような素材違いのアクセント壁は高級感が出るため、特に受付や応接室などで利用するのがおすすめです。

壁紙を利用する場合も、壁の下部のみデザインを変えたり、模様の入ったものにしたりして、変化をつけることで高級感が生まれます。

パーテーションの種類とその特徴

(1)アルミパーテーション

施工型パーテーションのなかでも、最も人気があり、比較的デザイン面での自由度が高く、上から下までを一枚のパネルにしてしまう方法や、ブロックのように割り付けることも可能です。

木目柄やカラフルなパネル、フレームの色も選べますので、組み合わせていただくことができます。

(2)スチールパーテーション

造作壁のように平らな表面が美しいパーテーションです。パーテーションの存在感を抑えて既存のお部屋に馴染ませたい場合などに適しています。

また、パーテーションの中では遮音性が高い製品として人気です。

(3)ガラスタイプ

ガラスをふんだんに使ったパーテーションです。

仕切りを作っているものの解放感もあるので、限られたスペースでも窮屈さを感じにくいという特徴があります。多くの場合で、アルミパーテーションやスチールパーテーションの中に組み合わせて施工するため、自由なデザインを楽しむことができます。

(4)スライドタイプ

パネルを自由に動かすことのできる、スライドタイプも人気があります。

主に宴会場などで活用されることが多いですが、オフィスでもさまざまな使い方が可能です。

(5)ローパーテーション

施工の不要な置き型のパーテーションです。

打ち合わせスペースとして使用する場合などには、施工無しでも十分に役目を果たしてくれます。

また、サイズも豊富で、小さなものから大きなものまで揃っており、座ったときに視線が隠れる高さのものから、大人が立っても頭までスッポリ隠れる大きさの製品もあります。

壁・壁面のデザイン・レイアウト事例

(1)エントランス

木の壁は自然の温かさやナチュラルさを感じさせ、木の種類によって重厚感、北欧風、西海岸風など 一括りに木といってもイメージはそれぞれです。完工直後はほんのりと木の香りに包まれてやさしい気持ちになれそうですね。

(2)空間を仕切る壁

視覚的に占める面積が多い壁の存在は大きく、その仕上げ(色や材質)は空間全体の印象を左右します。

(3)レセプションルーム

壁全体をホワイトボードにすることにより、空間全体が活発な議論の場へと変化します。また、ホワイトボードというと「白」というイメージがありますが、好きな色を選べる塗装タイプのものもあるので、壁一面をコーポレートカラーにするなど思い切った演出をしてみるのもいいですね!

壁にタイルや石を使った場合、重みのある印象を受けるので、ぐっと重厚感や高級感が増し、照明の当たり具合で現れる陰影や輝きがポイントとなります。プリント壁紙では出ない本物感が出るので、見た目だけでなく手触りにもこだわりを感じられる空間になります。

(4)グラフィックシート

白いシートに好きな写真やデザインをそのまま印刷し、壁紙にできます。企業理念やマインド、ビジョンをアウトプットすることも可能です。社員だけでなく、来社いただくより多くの方に自社が大切にしていることやコミットしていることを伝えることができます。

まとめ

壁・壁面にはいろいろな種類がありますが、オフィス内のレイアウト、そして何よりも企業イメージに合ったものを選ばなければ単なる奇抜なデザインとなってしまいます。

その結果、逆に外部に悪印象を与えたり、オフィスで働く従業員のモチベーション低下にも繋がりかねません。

どのような壁・壁面が最適なのかは慎重に検討、シミュレーションをする必要があります。

例えば、落ち着いたシンプルな雰囲気をかもし出したいと思った時には、グレーの壁・壁面などが最適です。クール、かつスタイリッシュな空間となり無駄なものが一切ない、仕事に集中できる環境を作り出せるでしょう。

環境に配慮している企業であれば、グリーンや木目調の壁・壁面がおすすめです。ナチュラルな空間が演出され、自然色豊かなオフィス内の雰囲気によって快適に仕事ができるでしょう。

デザイン系の会社やIT企業など、クリエイティブな環境下にあるオフィスには、カジュアルな雰囲気をもたらす壁・壁面に装飾をするのも適切かもしれません。赤や青など明るい色を効果的に配色すれば、創造意欲もわくことでしょう。

オフィスの壁・壁面は、あらかじめシミュレーションできるサイトなどもありますので、積極的に利用して理想の壁・壁面=オフィス環境を目指してください。

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