【保存版】オフィスは天井にもこだわる!オフィス天井の種類と快適な天井高についても解説

天井が人に与える影響など考えたことがない方がほとんどかと思いますが、実はとても重要です。

オフィスの天井が低いと人は圧迫感を覚え、ストレスの要因にもなります。逆に、高ければ高いほどよいというものでもなく、自分がリラックスする程度の適切な高さでなければ、人は居心地の悪さを感じます。また、デザインや素材によってもオフィスの雰囲気はがらりと変わります。

今回はより快適なオフィス環境つくりに参考になりますよう、天井高や種類、設備などの選び方のポイントをご紹介いたします。

目次

天井高

仕事がしやすいと感じる理想の天井高

理想の天井高に関しては、個人の好みや作業内容によって異なりますが、一般的には快適で仕事がしやすい環境を考えると、天井高は2,400mmから2,700mmが望ましいとされています。

この範囲は、多くのオフィスや住宅で採用されている標準的な高さです。人によって身長の差はありますが、このくらいあると高すぎず、低すぎず、ちょうど良いと感じられます。

ただ最近は天井が高めに設定される傾向があり、2,700〜2,800mmくらいの天井も珍しくなくなりました。高すぎる天井は空間を広く感じさせますが、暖房や冷房の効率が低下する可能性があります。一方で、低すぎる天井は圧迫感を与え、狭く感じることがあります。したがって、2,400mmから2,700mmの範囲は、広さと快適さのバランスを保つのに適していると言えます。

オフィス面積と天井高

オフィスの選択においては、空間全体を考慮することが重要です。特に、天井の高さはオフィスの面積と密接に関連しています。オフィスの面積に応じた適切な天井高を設定することで、快適性と効率性のバランスを保つことができます。以下は、オフィスの面積に基づいた推奨される天井高のガイドラインです。

  1. 200平方メートル未満のオフィス: このサイズのオフィスでは、天井高を2600ミリメートル(2.6メートル)に設定することが適切です。この高さは、小規模なオフィススペースにおいても十分な開放感を提供し、同時に圧迫感を避けるのに役立ちます。
  2. 200平方メートルから1000平方メートル未満のオフィス: この範囲の面積では、天井高を2600ミリメートルから2900ミリメートル(2.6メートルから2.9メートル)に設定することが望ましいです。これにより、より広い空間での快適さと空間の利用効率のバランスがとれます。
  3. 1000平方メートル以上のオフィス: 大規模なオフィススペースの場合、天井高を3000ミリメートル(3メートル)以上にすることが推奨されます。この高さは、広いスペースに適した開放感をもたらし、同時に空間の広がりを強調します。

これらのガイドラインは、オフィスの面積と天井高のバランスをとることで、作業環境の質を高めるためのものです。オフィスを選ぶ際には、これらの要素を総合的に考慮し、働く人々の快適性と生産性を最大化するよう配慮することが大切です。

働く人の人数

オフィスの天井高は、働く人の人数と業種によっても異なる適切な高さがあります。これは空間の感覚と作業環境の質に直接影響を与えるため、考慮すべき重要な要素です。

  1. 働く人の人数: 同じ面積のオフィスでも、そのフロアにいる人数によって適切な天井高は異なります。たとえば、10人程度しかいない部屋では比較的低い天井でも快適に感じられますが、100人以上が働いている場合、圧迫感を減らすためには天井高を3000ミリメートル(3メートル)以上に設定することが望ましいでしょう。このように、人数が多いほど、より高い天井が必要になります。
  2. 業種による適切な天井高: クリエイティブな仕事を行う場合、例えば企画やアイデア出しを必要とする業種では、高めの天井が開放感を提供し、創造性を刺激することがあります。一方で、少人数でアットホームな雰囲気のオフィスでは、高すぎる天井は逆に落ち着きを損なう可能性があります。

したがって、理想的な天井高を決定する際には、働く人の人数と業種の両方を考慮する必要があります。このアプローチにより、作業効率と快適性のバランスを適切に保つことができるでしょう。オフィスの設計や選択においては、これらの要因を総合的に検討し、最適な環境を提供することが重要です。

天井の種類

グリットシステム天井

グリットシステム天井は天井が格子状に組まれているため、天井パネルや照明器具を部分的に交換できることが特徴です。 オフィスのレイアウトが変わると天井設備に変更が生じる場合がありますが、レイアウトに合わせて配置を変更できるのもメリットです。ただ「吸音性が低い」というデメリットもあります。また、地震が起きたときに、パネルが落下してしまうというリスクもあります。最近では、大きな揺れに強い種類も普及しているので、グリッドシステム天井にする際はそれを選ぶと良いでしょう。

岩綿吸音板貼り天井

綿を主な原料にして板状にし、表面を整えた天井です。吸音性の高さが特徴で、また断熱性、防火性に優れており、安全性が高く仕事をするのに適した環境をつくることができます。その一方で直張を行なう場合、ビスを使う必要があるため、完成後の見た目があまりよくないというデメリットがあります。また、工事の手間がかかるという点も考慮しなければなりません。

ライン型システム天井

天井仕上げ材と天井設備機器とを一体化して組み立てたもので、組み込まれる設備機器は、照明器具・スピーカー・火災感知器・スプリンクラー・空調吹出し口・排煙口などがあります。この天井のメリットとしては、天井設備の位置を変えやすいという点で、大がかりなレイアウト変更で必要となる設備の移動も比較的、容易に行なうことができます。また、費用がそれほど大きくならない点も、魅力と言えます。デメリットとしては縦についている照明を横に変えることは基本的には出来ない点と、強い地震、特に縦の揺れには弱くグリッド型のシステム天井よりも大きい天井材が落下する可能性があります。

化粧石膏ボード貼り天井

通常の石膏ボードはそのままですと黄色っぽい紙が見える状態のため、見た目を保つために最終工程でパテ処理し、塗装やクロス貼りが必要になります。しかし、化粧石膏ボードの場合、すでに表面処理が施されているため、そのまま天井に貼ることができます。これにより、作業工程を少なくして、コストダウンにつながるというメリットを得られます。また、吸音性に優れているという点もメリットとして挙げられます。デメリットとしては、目地が他の天井と比べ目立つという点と、ビス頭が見えてくるという点が挙げられます。

石膏ボード天井 (クロス仕上・塗装仕上)

適度な防火性能があるので、安全性に優れています。また、重さと柔らかさという素材の良さから遮音性能も高いとされています。また、コストの安さも大きな特徴です。デメリットとしては、見た目として、他の天井よりも劣る点と、水に弱く水回りにはむかない点があります。

※オフィスで使われることが多い主な天井には、以上の種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで、あなたのオフィスにぴったりの天井を選んでいきましょう。

天井に付随する設備

ライトや空調設備のほかにも天井に付随する設備が沢山あります。

点検口

設備配管や配線の操作などの点検に必要な入口です。

換気口

設置型の空気吹出し口のことをいいます。空気を循環させる役割を果たします。

スプリンクラー

火災の際に、消火作業をするための設備です。天井に備え付けたヘッドから散水。水による冷却作用で、消火を果たします。

防煙垂れ壁

天井から降ろされる垂れ壁です。火災の際に、煙の流動を妨げる効力のあるもので、不燃材料(ガラスなど)でつくられたモノです。

非常照明

停電時の照明です。オフィス内や廊下を照らす設備として重要です。

誘導灯

非常事態が発生した場合に備えて設置された、出口へ安全に誘導するための電灯です。

煙感知器

煙を感知して出火を知らせる装置です。建物全体とつながり「自動火災報知設備」となっていることがほとんどです。

熱感知器

火災などの熱を感知し、異常を知らせる機器です。

非常放送用スピーカー

非常事態の際に、明確に情報伝達を行う設備です。

まとめ

オフィスの天井には上記のような設備が設置されています。これらの設備によって快適なオフィス環境、安全性を保っているのです。

これからオフィスをお選びの方には、図面上の面積だけでなく、実際に足を運んで天井の高さをどう感じるか、という点もチェックされることをおすすめいたします。

また、レイアウト変更やリフォーム、リノベーションを予定されている方は、オフィス環境は天井ひとつでガラッと変わります。より良いオフィスをつくるためにも、ぜひ天井にはこだわってみてはいかがでしょうか。

弊社では、理想のオフィス探しから、オフィス環境へのお悩みやリフォームなど、オフィスに関するご相談は小さなことでも全力で対応させていただいております。

ぜひお気軽にご相談下さい。

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