オフィスの床について“足元を変えるだけでこんなに変わる”
オフィスの床といえば灰色のタイルを使用することが一般的でしたが、現在ではさまざまな素材や色を選べるなど、デザインの選択肢が増えています。オフィスのレイアウト変更や、デスクなどの備品をすべて買い替えることは、費用もかかり難しいものですが、床の素材や色、デザインを変えるだけでもオフィスの雰囲気は大きく変わるものです。
また、オフィスの床の配線をすっきりするだけでも印象や雰囲気が変わります。
今回はオフィス内の印象や雰囲気に大きく影響する床について、レポートいたします。
色が与える印象とオフィス内での効果
オフィスでは「リラックスできるか」「集中できるか」など多くの要素が求められますが、部屋全体の雰囲気を左右するのが床に取り入れられる「色」です。業務内容やオフィスの雰囲気に合う色を取り入れましょう。色と素材は切り離せませんが、まずは色から決めると、素材の決定がスムーズになります。
(1)執務室(事務作業)
ここでおすすめの床の色はグリーンや茶系の落ち着いた色です。デスクワークが中心となる部署において、問題となるのは目の疲れです。グリーンにはリラックス効果とともに目の疲れを癒す効果もあります。茶色はコツコツと物事を継続させる効果が期待でき、執務室には向いています。
(2)会議室、クリエイト・開発部門
会議や開発など、クリエイティブな業務を行う場所でおすすめの床の色は赤や黄色といった暖色系です。赤や黄色は独創的なアイディアを生み出す効果があります。全面赤や黄色にしてしまうと、目が疲れてしまう場合もあるため、ワンポイントで使うことをおすすめします。
(3)リラックスルーム
食事をしたり、気分転換をしたりするリラックスルーム。ここでおすすめの床の色はグリーンやオレンジといったアースカラーです。執務室の床をグリーンにしている場合はオレンジなどの明るめの色にする。茶系などの色にしている場合はグリーンにするなど、仕事をする場所とメリハリをつけることが、業務効率アップのポイントです。
(4)包括的な空間演出
それぞれの場所でそれぞれの床色を使い分け、メリハリをつけることもひとつの方法です。ほかにも、ブランドカラーが決まっているなら、その色で統一するといったことも考えられます。それにより、その色の組織に属しているという一体感を持たせることにつながります。
床材が与える印象とオフィス内での効果
オフィスで使用される床材には、いくつかの種類があります。また、オフィスでは廊下やエントランス、執務エリア、人が通る頻度や来客の有無など、エリアごとに床材を分けているケースが多くみうけられます。オフィスで使用されることが多い床材の種類と、それぞれの基本的な使用方法や特徴についてご紹介します。
(1)タイルカーペット
防音効果があり、人や物が移動する音を吸収します。また、話し声や物音の反響が少ないという特徴があります。カラーバリエーションや柄、毛並みの種類が豊富で、部屋の使用用途によりコストを抑えたものや高級感を与えるもの等、貼り分けて使用することが出来ます。軽く、扱いやすいタイプでもあり簡単に張ることが可能です。
(2)ビニルタイプ
石目や木目(フローリング調)が一般的でエントランスやリフレッシュルームに適しています。天然素材に比べ安価で施工が簡単です。また、床の清掃など手入れは水拭きでよい点がメリットで、タイルカーペットと比較をして簡単に切ることが可能で扱いやすいという特徴もあります。
(3)天然素材(フローリングや大理石)
他にはない高級感があり、硬く上部な素材が多いため歩きやすく、音を反響させることで空間に奥行きを生み出します。また、天然無垢のフローリング材は調湿作用があることが魅力で、独特のぬくもりある雰囲気を感じさせる床材だといえます。
デザインとゾーニング
色・素材が決まったら、あとはデザインです。
床のデザインを決める1つに、ゾーニングの役割を与える方法があります。見通しの良いオフィスにするためにも、近年はゾーニングにパーテーションや間仕切りを使わずに、床の色や素材、デザインを変えることで表現するようになってきています。
(1)色と素材を変える
廊下はフローリング風のフロアタイル、ミーティングスペースはタイルカーペットで、色も素材も違う組み合わせにすることでメリハリが生まれます。
(2)色や柄を変える
同じ素材でも、色や柄を変えることでゾーニング効果が生まれます。例えば通路になる部分にハイライトを入れることで、疑似的に「廊下」を作ることも出来ます。
※漠然と「お洒落にしたい」という意識ではなくて、ゾーニングという意味でデザインを考えていくと、機能的でかつお洒落なオフィスになります。
オフィスの床の配線をすっきりさせる
せっかくお洒落な床に替えることが出来ても、床に配線コードが見えていたら台無しになります。
引っかかって転んだり、引っかかった際にコードが抜けてデータが飛んだ、などというトラブルも避けたいですね。
(1)OAフロア
床を二重構造にすることで、本来の床と新たな床の間に空間を造り、そこに電話回線やネットワーク回線を通せるようにします。景観がスッキリして、誤って断線する恐れがなく、配線が固定されていないため、レイアウトが自由に変更できます。近年、多くの賃貸オフィスはOA床になっていますが、新たにリフォームすると導入費用がかかりますし、天井までの高さが低くなります。
(2)アイテムで配線をスッキリさせる
①コード数を少なくする
出来れば本当にコード数自体を少なくしたいですが、オフィスだとそういうわけにもいきません。
そこで広がりがちなコードをスパイラルコードで束ねてしまう方法があります。1点でまとめるのではなく、コード全体を束ねて1本に出来ますので、散らばった印象を抑え、すっきりと見せることが出来ます。
②見えないところでまとめる
コードを束ねた後は、見えないところでまとめます。ケーブルボックスで乱雑な印象を与える電源タップを、見えないように隠してしまえばすっきりします。このボックスを使用すれば、余っているコードも一緒に収められるためスマートです。
オフィス内の雰囲気が暗い、どことなく倦怠感が漂っている場合など、オフィス内の空気をよい方向へ変えるためにも床のデザインを見直してはいかがでしょうか。社員のリフレッシュにもつながり、業務の活性化、またお客様のイメージアップも期待できます。
オフィスのお悩みやご相談などございましたら、お気軽に当社にご連絡下さい。
レイアウトに限らず、オフィスに関連するご相談でしたら、小さなことでもお待ちしております。