【GUILD(ギルド)】東急不動産が仕掛けるスタートアップ企業支援プラットフォーム

渋谷という刺激的な街が、いかにして新しいビジネスの発芽地となり得るのか、その最前線を東急不動産株式会社が創造しています。渋谷は、革新的なアイデアが実を結ぶスタートアップの夢の舞台として、日々変わりゆく風景を見せています。

この舞台の中心にあるのが、「GUILD(ギルド)」という名のコワーキングスペース。ただのオフィススペースではなく、スタートアップ企業の成長と共創を目指す革新的なプラットフォームです。

今回は、この「GUILD」シリーズが渋谷のイノベーションシーンをどのようにリードしているのかを、深く掘り下げていきます。

目次

GUILD(ギルド)とは?

東急不動産のGUILD(ギルド)、スタートアップ企業支援プラットフォーム
参照:SHIBUYA STARTUP ECOSYSTAM

「GUILD(ギルド)」は、東急不動産株式会社が運営する、スタートアップ企業に特化したスモールオフィスおよびコワーキングスペースです。渋谷の道玄坂、渋谷と恵比寿の中間地点、渋谷の公園通り、そして青山に、現在4つの拠点を展開しています。

このプロジェクトの根底にあるのは、スタートアップ企業が渋谷を中心に成長し、新たな革新的ビジネスを世に送り出すことを強力に支援するという目的です。これは単にビジネスの成長に貢献するだけでなく、渋谷という街の全体的な活性化にも寄与することを意図しています。

「GUILD」シリーズの施設は、既存ビルをリノベーションして作り出されたユニークな空間が特徴です。家具付きの個別オフィスや、交流を促す共用ラウンジなど、スタートアップ企業の様々なニーズに応える施設が提供されています。

さらに、これらの施設には東急不動産と連携するベンチャーキャピタルも入居しており、スタートアップ企業は専門家の日常的なサポートを受けることができます。資金調達、事業連携、移転に関する相談など多岐にわたるサポートが可能になっています。

東急不動産は、これらの施設を通じて、新しい産業創出をサポートし、広域渋谷圏でスタートアップの更なる成長を促進することを目指しています。また、「Plug and Play Shibuya」のスケールアップにより、渋谷のイノベーション創出に対するコミットメントを強化しています。

「GUILD(ギルド)」の特徴

とはいえ、「オフィス」であることに変わりはなく、「場」としてスタートアップ企業を支援するような特徴をいくつももっているのが、「GUILD(ギルド)」の特徴です。

拠点によってサービスの範囲は様々ですが、主に以下のような特徴を持っています。

内装・家具備え付け

「GUILD(ギルド)」はシリーズ全体として、レンタルオフィスと通常の賃貸オフィスの中間あたりに位置していると考えるとわかりやすく、そのうちの一つの特徴が、内装・家具備え付けという点です。

スタートアップ企業にとっては、成長していく過程で様々な量・質の内装造作・家具・什器が必要になりますが、移転するたびにそれを購入していては、「減価償却」を考えたり、引越しに手間取ったり、原状回復費用が重かったりと、メンテナンスが非常に面倒です。

そのあたりを解決してくれるのが、内装も既にかっこよくてしかも什器もついているオフィス。

成長に伴い移転を繰り返すスタートアップ企業にとっては身動きがとりやすく、企業の魅力とオフィスの柔軟性を一気に引き上げてくれます。

敷金3ヶ月

通常の賃貸オフィスを賃借するときにかかる敷金は、同規模のオフィスだと3ヶ月から6ヶ月ほどかかりますが、そこが最低限に抑えられているので、初期費用を削減でき、事業投資に資産を投下することが出来ます。

SOHO物件などでも初期費用を抑えることは可能ですが、しっかりオフィスを構えながらですと、必ずしも選択肢は多くありません。

共有の会議室

参照:SHIBUYA STARTUP ECOSYSTAM

拠点によって無料な場合と有料な場合がありますが、有料な場合でも、12名1時間利用でたったの1,400円。

会議室を多用する企業様ですと、最終的に割高になる可能性がありますが、テレビ会議も増えてきた昨今、常時使用していない会議室のスペースに賃料を払うことがもったいないと考えるスマートな企業様も増えています。

特にスタートアップ企業様には多いのではないでしょうか。

水光熱費とWi-Fi使用料が賃料込(拠点によります)

レンタルオフィスや通常のオフィスを検討する際に、意外と盲点となるのが、水光熱費と通信費用。

手配も面倒ですし、朝早くから夜遅くまでガシガシ働くスタートアップ企業様には無視できないくらい負担がのしかかる固定費です。

セキュリティ面での配慮がしっかりなされたWi-Fi設備と月々いくら払うのかが固定されている賃料設定は、事業計画を練っていく中で非常に計算しやすいのではないでしょうか。

東急不動産グループとのコラボが出来る可能性

スタートアップ企業にとって、最も大切なことは革新的なビジネスを出来るだけ早く成長させることですが、そのためには資金力と人脈は非常に重要なファクターではないでしょうか。

東急不動産グループは、スタートアップ企業支援をするVCファンドを独自に抱えているだけではなく、東急不動産グループ自体とのコラボレーションを促進する「SHIBUYAスタートアップ100」という企画を打ち出していたり、他企業とのマッチング支援をしていたりしています。

大企業とのコネクションはスタートアップ企業にとってはかけがえのない成長ドライブになることでしょう。

「GUILD(ギルド)」の入居基準

スタートアップ企業を支援という目的にかなうため、東急不動産が独自に以下のような審査基準を設けているようです。

GUILD(ギルド)の入居基準
  • ベンチャーキャピタルや事業会社から出資を受けている等、第三者(親族以外)との資本関係を有する企業(金融関係からの融資は除く)
  • 事業計画上概ね10年以内の株式上場や事業譲渡を目指しており、シード・アーリーステージ以上の企業
  • 独自のサービスやプロダクトを有すること(開発中を含む)

また、対象外の職種としては以下が該当します。

  • 士業
  • 非営利組織
  • フリーランサー
  • クリニック
  • サービス店舗(金銭の授受を行う業種)など

「GUILD(ギルド)」の拠点情報

「GUILD Aoyama」と「GUILD Shibuya」は、スタートアップ企業専用のスモールオフィス・コワーキングオフィスです。ここでは、単なるオフィススペースの提供に留まらず、スタートアップの成長と創業支援をトータルで行う環境が整備されています。

GUILD Aoyama(ギルドアオヤマ)

GUILD Aoyama(ギルドアオヤマ)
参照:SHIBUYA STARTUP ECOSYSTAM
施設名GUILD Aoyama(ギルドアオヤマ)
所在地東京都港区北⻘⼭3−3−13
共和五番館 2F
開設日2018年1⽉
延床面積約271㎡(約82坪)
専有面積約22.4㎡〜約42.6㎡、計5区画
(うち1区画はコワーキングスペース)

GUILD Shibuya(ギルドシブヤ)

GUILD Shibuya(ギルドシブヤ)
参照:SHIBUYA STARTUP ECOSYSTAM
施設名GUILD Shibuya(ギルドシブヤ)
所在地東京都渋谷区東2-25-3
WAVE渋谷
開設日2018年5⽉
延床面積約370㎡(約112坪)
専有面積約19.0㎡〜約74.5㎡、計5区画
(うち1区画はコワーキングスペース)

GUILD Dogenzaka(ギルド ドウゲンザカ)

GUILD Dogenzaka(ギルド ドウゲンザカ)
参照:SHIBUYA STARTUP ECOSYSTAM
施設名GUILD Dogenzaka(ギルド ドウゲンザカ)
所在地東京都渋谷区道玄坂1-16-6
二葉ビル 地下1階~3階
開設日2019年4月
延床面積3,005.14㎡(909.05坪)
専有面積806.95㎡
施設構成3階 オフィス、コワーキングスペース
2階 サービス付きオフィス、貸し会議室
1階 コワーキングスペース
地下1階 貸し会議室

GUILD Jinnanzaka(ギルド ジンナンザカ)

GUILD Jinnanzaka(ギルド ジンナンザカ)
参照:SHIBUYA STARTUP ECOSYSTAM
施設名GUILD Jinnanzaka(ギルド ジンナンザカ)
所在地東京都渋谷区神南1丁目18番2号
フレーム神南坂4階
開設日2019年8月3日
面積489.83㎡(148.17坪)

GUILD Koendori(ギルド公園通り)

参照:SHIBUYA STARTUP ECOSYSTAM
施設名GUILD Koendori(ギルド公園通り)
所在地東京都渋谷区神南177
ANDOS-Ⅱビル 6F・7F・RF
開設日2020年7月
専有面積122.08㎡(36.92坪)
契約形態定期建物賃貸借契約

GUILD Jinnnan 1-Chome(ギルド 神南一丁目)

GUILD Jinnnan 1-Chome(ギルド 神南一丁目)
参照:SHIBUYA STARTUP ECOSYSTAM
施設名GUILD Koendori(ギルド公園通り)
所在地東京都渋谷区神南1-13-3
ARK神南 3F/4F/5F
開設日2020年7月
専有面積237.41㎡(71.81坪)
延床面積245.33㎡(74.21坪)

「GUILD(ギルド)」まとめ

日本のスタートアップ市場はアメリカなどに比べてまだまだ盛り上がりが少ないといわれていますが、その主な要因として、そもそもスタートアップ企業を支援するような様々なサービスが世の中に少ないということが挙げられます。

AppleやAmazonのような巨大企業もガレージからスタートさせた過去がありますが、日本には大きなガレージも、ガレージで仕事をしている会社に大きな投資をするVCも多くのないのが現状です。

東急不動産が運営する「GUILD(ギルド)」は、渋谷エリアに限定しているものの、AppleやAmazonのような企業がひとつでも多く生まれるような環境を支援する一つの大きな支援のプラットフォームといえるでしょう。

渋谷は、スタートアップ企業にとって理想的な環境を提供する「GUILD」シリーズのおかげで、新しいビジネスの発展地としてさらに魅力を増しています。イノベーションの中心地として、渋谷でのビジネスチャンスを探求する企業や個人にとって、この地はまさに夢の舞台となるでしょう。

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