オフィスの解約予告について。通知書の雛形ダウンロードあり
「コロナ禍でオフィスを使っていないので解約したい」
「次の移転先が決まったので、現在のビルを解約したい」など、
オフィスを解約する際の注意事項をご案内します。
オフィスを移転する場合や、拠点を閉鎖する際には解約予告をしなければなりません。注意しなければならない事項もありますので是非ご確認ください。
賃借人(テナント)からの解約予告とは
解約予告とは、賃貸借契約を終了させようとする意思表示を言います。契約期間の途中で解約する場合、契約期間の満了をもって解約する場合があります。期間満了で解約する際も、解約予告をしないと自動的に更新されてしまうケースがありますのでご注意ください。
原則、解約予告は口頭ではなく、書面にて通知します。
解約予告期間について
賃貸借契約書にて解約予告期間が定められているはずです。お手元の契約書の条文をご確認ください。
「中途解約」や「期間満了による解約」などの条文に記載されていると思います。
オフィスの賃貸借契約では、3ヵ月間もしくは6ヵ月間と定められていることが一般的です。
解約時の注意ポイント
移転スケジュールを確認しましょう
オフィスを移転する場合、移転先と移転元の契約期間を2ヵ月から4ヵ月間程度は被らせる必要があります。
というのも、賃貸借契約に定められている通り、契約期間内に現入居ビルの原状回復工事を実施しなければなりません。
規模にもよりますが、原状回復工事は 1ヵ月間から2ヵ月間程度かかりますので、原状回復工事期間を考慮して解約予告を提出する必要があります。昨今は、工事期間が長くなっている傾向がありますので、特に注意が必要です。
また、移転先での入居内装工事にも1ヵ月から2ヵ月間程度かかるので、合計2ヵ月から4ヵ月間程度は被らせる必要が出てくるのです 。
移転の方向性が決まったら、まずは現ビルの貸主に原状回復工事の見積りを依頼して、金額や工事期間を確認するようにしましょう。
定期借家契約では中途解約ができません
定期借家契約の場合、途中解約ができない契約となっていることが一般的です。
ただし、物件によっては中途解約を認めている場合がありますので、契約書の条文(特約事項に書いてあるケースが多いです。)をご確認ください。
中途解約のペナルティ(違約金)の有無を確認しましょう。
契約期間満了での解約ではなく、期間の途中で解約すると違約金が発生するケースがあります。こちらも契約書の内容を確認しましょう。当初の契約期間内では違約金が発生することになっていても、更新後はかからないというケースもあります。契約書の条文は慣れないと理解しづらいのですが、しっかりと読み込みましょう。
解約時の償却の有無を確認しましょう。
契約時に預け入れた敷金や保証金から差し引かれる金額を「償却」と言います。
「解約時賃料の2ヶ月分」や「保証金の10%」と表記されることが一般的です。償却には消費税が別途かかります。
敷金の返還時期を確認しましょう
原状回復が終了し、明渡しが完了しても、すぐに返還されるというわけではありません。貸室の明渡し完了後、3ヵ月程度かかるケースが一般的です。契約書の条文に返還時期が記載されているのが一般的です。
自動更新の場合は提出タイミングに注意しましょう
自動更新の場合、解約予告を提出しないと更新されてしまうので、更新しない場合は早めに貸主に連絡しておきましょう。
原状回復をしないで退去できる方法とは!?
原状回復工事をしないで退去する方法があります。
それは、「居抜きで退去する」という方法です。
現状の造作を後継テナントに引き継ぐことにより、原状回復義務も承継する方法です。
もちろん、貸主や管理会社の承諾が必要となりますが、コロナ禍で空室が増えたことにより、
いままで”居抜き”に対して消極的だったオーナーも承諾してくれるケースが増えています。
まとめ
移転を検討するのであれば、なるべく早めに現ビルの貸主に相談することをお勧めします。
期限当日に、いきなり解約予告通知書を出すのではなく、事前に口頭で伝えておくほうがスムーズに退去の手続きを進めることができます。
最近では”居抜きでの退去”について柔軟に対応していただける貸主も増えています。原状回復費用を大幅に削減できますので、まずは相談してみると良いと思います。貸主が不安に思うこともありますので、「貸主のメリットやデメリット、気を付けなければいけない点は何なのか」など、お気軽にご相談頂ければと思います。