「ヘルステックオフィス」 ~ソフトウェア時代からヘルスケアの時代へ~

2010年代は世界的にスマートフォンが爆発的に普及するなど、ソフトウェアがビジネスばかりでなく、生活の隅々にまで入り込んだ時代でした。

そして次の2020年代は、新型コロナウィルス流行の影響もあり「ヘルスケア」の時代だといわれています。

それを裏付けるように、米国のIT関連企業大手4社(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)もヘルスケアビジネス関連に相次いで投資しています。

今回は、いま注目されつつある「ヘルステックオフィス」(健康経営)について、「ヘルステックオフィス」とは何なのか、企業が健康経営を導入するメリットはどこにあるのか、「ヘルステックオフィス」のためのポイントとは何かについてご紹介いたします。

目次

ヘルステックオフィス(健康経営)とは

ヘルステックオフィスとは、社員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に誘発することでつくられる「生産性の高い場」のことです。

企業理念に基づき、社員等への健康投資を行うことは、社員の心身を穏やかに保ち、活力を向上させることで、社員一人ひとりがパフォーマンスを最大限に発揮でき、組織の活性化をもたらし、結果的に社員満足度の向上や業績向上につながると期待されています。

また、企業イメージの向上等の効果や、企業におけるリスクマネジメントとしても重要です。 社員の健康管理者は経営者であり、その指導力の下、健康管理を組織戦略に則って展開することが、これからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。

ヘルステックオフィス(健康経営)のメリット

①社員にとってのメリット

(1)健康維持、増進につながる

健康について意識する機会が増えることで、食生活や生活習慣の改善に繋がり、生活習慣病などの予防・改善にも繋がります。

(2)生き生きと働くことができる

ヘルステックオフィスで働く社員は、適宜リラックスやリフレッシュができ、生き生きと活力をもって働くことができます。

(3)会社に誇りを持つことができる

社員が生き生きと働いている会社であれば、個々の社員のモチベーションアップに繋がり、誇りを持って働くことが期待できます。

②企業にとってのメリット

(1)労働生産性の向上

社員が健康的に仕事に取組める可能性が上がるほど、モチベーションや生産性も上がることが期待できます。

(2)医療費の削減

健康経営を導入することで病院へ通う社員が減り、医療費や健康保険組合の保険料率の引き下げ、労災補償費用の軽減に繋がります。

(3)企業ブランドイメージの向上

健康経営に積極的に取組んでいる企業は、「社員のことを大切に考えている」「労働環境が整っている」「福利厚生が充実している」といった好印象を与えられるため、企業のイメージの向上に繋がり、離職率の改善や、優秀な人材の獲得にも繋がります。

(4)資金調達の選択肢が増える

政府系金融機関をはじめ、「健康経営格付」を融資に取入れている金融機関もあり、健康経営に取組む企業であることを対外的に発信できるメリットもあります。

ヘルステックオフィス(健康経営)を保持・増進する行動

(1)快適性を感じる

姿勢を正す、空気、感触、光、音、香りなどをオフィスにいる社員が快適と感じる空間にする。

(2)コミュニケーションを積極的にとる

社員同士に「気軽に話す・あいさつする・笑う・感謝する・感謝される」「お互いの業務内容や会社の経営理念などを知る」「共同で作業をする」といったコミュニケーション・相互理解が生まれるようなオフィス環境を整備する。

(3)休憩・気分転換を行う

リラクゼーションルームやカフェスペースを設置する、リラックスタイムを設けるなど、休憩や気分転換が適切にできるようにオフィスの環境を整備する。

(4)体を動かす

立ち仕事スペースをつくる、空きスペースに健康器具を設置するなど、適度に体を動かせるようにオフィスの環境を整備する。

(5)バランスの取れた食事と適切な食行動

バランスのとれたメニュー、規則的な食生活、適切な食行動をとれるように社員食堂で健康メニューを提供する、カフェスペースをつくるなどのオフィスの環境を整備する。

(6)清潔にする

トイレタリーを充実させる、ロッカースペースをつくるなど、オフィスと社員が常に清潔な状態を保てるようにオフィスの環境を整備する。

(7)健康意識の向上

定期的な健康診断の徹底、健康測定ブースを設ける、社内向けに健康セミナーを開催するなど、社員の健康意識が高まるようにオフィスの環境を整備する。

へルステックオフィス(健康経営)実現のためのポイント

(1)ストレスが溜まらないオフィスレイアウト

従来のオフィス設計にとらわれずに、社員がいかにリラックスして業務ができるか、部署や部門を超えた交流を生み出せるかといった点を意識しながらオフィス空間を考えることが重要です。また、重要なポイントのひとつとしてデスクの位置があげられます。デスクの配置の工夫次第で非効率な導線になったり、必要以上に人の視線を感じストレスを感じたり、集中力の妨げになる可能性があります。

(2)適切なパーソナルスペース

仕事を快適に行うためには、パーソナルスペースの確保も重要なポイントです。一般的な仕事におけるパーソナルスペースの適切な範囲は、約1m以上3m以内の距離といわれていますが、オフィスの広さは限られており、適切なパーソナルスペースが取れない場合には、席を自由にするフリーアドレスやフリーデスクといった制度を取入れる、集中して業務できる個室スペースを設置することもひとつの有効な手段として考えられます。

(3)オフィス家具へのこだわり

デスクワークの場合、長時間座って業務するため椅子は快適なものを選ぶ必要があります。また、オフィスの照明も業務に適した明るさのものを選ばなければ、パソコンを見ている時間が長くなるとどうしても目が疲れてしまいますので、目に負担のかからない明るさに調整しましょう。

(4)オフィスに植物を取り入れる

オフィスに植物を取入れることで、リラックス効果や疲労感の緩和などが期待できます。また社員同士のコミュニケーションが増えたり、モチベーションアップに繋がり生産性が向上したりする効果もあると指摘されています。

植物を視界に入りやすい場所に置くこともポイントです。

まとめ

へルステックオフィスを導入することは、就業時間だけでなく社員の普段の生活における健康意識を高めて心身を整える効果があります。

企業価値や生産性の向上と合わせて、社員の満足度アップにおいても役立ちます。

へルステックオフィス自体はポイントさえ押さえれば決して難しいものではありませんので、まずは自分たちで「今、元気にイキイキ働けている?」という問いかけに答えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。へルステックオフィス(健康経営)に本格的に取組むのも、オフィス環境に投資するのもその後で十分です。

自社の理念に共感し、同じ目標に向かって、社員一人ひとりが持っている力を思いっきり発揮できる会社をつくりのためにも、ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

当社では、オフィスに関する総合的なサポートを行っております。オフィスについてお悩みや、ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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