「虎ノ門ヒルズ駅」が開業しました!

昭和の東京オリンピックが開催された1964年に日比谷線が全線開業して以来、56年ぶりに新駅が開業しました。2020年6月6日、霞ケ関と神谷町の間に暫定開業した「虎ノ門ヒルズ駅」です。

本来、東京オリンピック2020開催に間にあわせるために暫定開業したのですが、残念ながらオリンピックは延期されてしまいました。

「虎ノ門ヒルズ駅」の本格開業は2023年の予定です。

森ビルが主導で行っている虎ノ門一丁目地区市街地再開発事業『虎ノ門ヒルズ』と一体化して開業する「虎ノ門ヒルズ駅」について、周辺の再開発事業とあわせてレポートいたします。

目次

位置、乗入

北千住と中目黒を結ぶ20.3kmの東京メトロ日比谷線「霞ケ関駅」~「神谷町駅」の間、「霞ケ関駅」から800m、「神谷町駅」から500m、国道1号と環状第2号線が交わる虎ノ門二丁目交差点付近に位置します。

「虎ノ門ヒルズ駅」に乗入れる東京メトロ日比谷線は、東武伊勢崎線(スカイツリーライン)と「北千住駅」で接続して日光線「南栗橋駅」まで相互直通運転を実施しています。

また、「虎ノ門ヒルズ駅」から435m北側(徒歩7分)にある、銀座線「虎ノ門駅」と地下連絡通路で結ばれ、両駅は乗換駅になります。『虎ノ門』周辺は官公庁が近く、本来ならビジネス面での立地としてはよいのですが、最寄りの鉄道は銀座線の「虎ノ門駅」しかなく、銀座線は日本最初の地下鉄であり、駅スペースが小さく6両編成なので輸送力も低く、私鉄他社との直通運転もないため、ビジネスをサポートする交通面が弱かったのですが、これによって交通面が改善されました。

※「虎ノ門ヒルズ駅」は、同じく2020年6月6日に運転開始した『THライナー』(東武線・日比谷線直通、座席指定制列車)恵比寿行きの停車駅で、『THライナー』フリー乗車区間(「霞ケ関駅」~「恵比寿駅」)のなかにあるので、有料指定座席料金なしで『THライナークロスシート』(前向き席)に乗ることができます。

「虎ノ門ヒルズ駅」と一体的に開発される『虎ノ門ヒルズ ステーションタワー』の地下1階・2階に開設される予定で、『虎ノ門ヒルズ ステーションタワー』の竣工にあわせて、2023年に本格開業します。

現在は、改札及びホームは全て地下1階にあり、長さ147mの相対式ホーム2面2線を有する地下駅で、1番線の虎ノ門ヒルズ森タワー方面改札外に銀座線「虎ノ門駅」や東京BRTのバスターミナルに通じる地下連絡通路(約440m)が設置されています。

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー

地上49階、地下4階、高さ264.00m(最高265.75m)、延べ238,441㎡の超高層タワー、2023年7月竣工予定です。

イメージ画像:森ビル株式会社

基準階約1,000坪のグローバルレベルのオフィス、広場と一体になった商業施設、国際水準のホテルなどを整備します。また、最上部には、様々なビジネスイベントに対応するフォーラム、ギャラリー、レストランなどを有する多機能複合施設を配置し、新たなビジネスやイノベーションの発信拠点になることを目指しています。さらに駅直結の賑わい溢れる開放的な広場に加えて、桜田通り上に歩行者デッキを整備することで、重層的な歩行者ネットワークを実現。虎ノ門エリアの新たな交通結節拠点として機能します。

また付帯施設として、以下の建物が整備されます。

A-2街区:地上04階、地下3階、高さ_30.15m(最高_30.15m)、延べ8,750㎡

用途:店舗、駐車場等

A-3街区:地上12階、地下1階、高さ_59.00m(最高_59.00m)、延べ7,986㎡

用途:事務所、住宅、店舗、駐車場等

周辺環境

虎ノ門は、都心ビジネスエリアの中心に位置する知名度の高いエリアですが、「虎ノ門駅」のすぐ側には文部科学省や財務省、経済産業省などの官公庁、「霞が関ビル」や「霞が関コモンゲート」などの著名なオフィスビルがありますが、住所は虎ノ門ではなく霞が関。東にあるビジネス街は虎ノ門というより新橋。

虎ノ門住所で著名なのは「金刀比羅宮」とそこに建つ「琴平タワー」、あるいは「虎の門病院」、少し離れて「ホテルオークラ」があるくらいでした。

しかし現在、虎ノ門は生まれ変わろうとしています。虎ノ門が創業の地である森ビルが中心となって、2023年完成を目指して大プロジェクトが進んでいます。

「虎ノ門ヒルズ森タワー」竣工を皮切りに、いくつもの高層ビルからなる再開発で、道路や鉄道などの交通インフラとも一体化した複合都市となり、六本木ヒルズに匹敵するインパクトを与える真の国際新都心へと進化します。

虎ノ門ヒルズ概要

(1)交通インフラ

・14年3月末に延伸した環状2号線の開通により、虎ノ門と有明・台場などの臨海部、さらには国際化の進む「羽田空港」へのアクセスの向上

・開発と一体化して開業する「虎ノ門ヒルズ駅」による、交通面の強化

・「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」1階に設けられた虎ノ門、新橋、豊洲、晴海を運行するBRT(バス高速輸送システム)や空港リムジンバスのターミナル

・虎ノ門ヒルズのビル群すべての2階に設けられた歩行者デッキ(ビル間を移動するのに地上の道路に下りる必要がない)

・「新虎通り」の整備(車道本線を地下トンネル化し、地区内交通が主となる車線を地上部に分ける二重構造により、ゆとりある歩行者空間を生み出し、四季折々の変化を伝える街路樹、快適にサイクリングを楽しめる自転車道、パリ・シャンゼリゼを彷彿とさせるシンボルストリートとなっています)

(2)高層ビル群

・虎ノ門ヒルズ森タワー

地上52階建て、高さ247mの超高層複合タワー

立体道路制度を活用して環状2号線と一体的に建築された、14年6月開業の虎ノ門のシンボルタワー。日本初進出のライフスタイルホテル「アンダーズ 東京」、最高スペックを備えたオフィス、抜群の眺望とともにホテルサービスを利用できる国際水準のレジデンス、さらに、大規模カンファレンス施設や多様な都市活動を最大限サポートする商業施設、約6,000m²のオープンスペースなどで構成。開業から現在まで、オフィスやホテル、レジデンスはフル稼働しています。

・虎ノ門ヒルズビジネスタワー

地上36階、地下3階、高さ183.415m(最高185.415m)、延べ面積約172,925㎡の超高層ビルです。 2020年1月に竣工、「虎ノ門ヒルズ駅」とは地下道でつながり、1階には虎ノ門、新橋、豊洲、晴海を運行するBRT(バス高速輸送システム)や空港リムジンバスのターミナルが設けられています。環状第二号線が全面開通すれば羽田空港へのアクセスも大幅に向上することから、世界と都心部を繋ぐ新たな「東京の玄関口」として機能します。

また、4階には大企業の新規事業創発に特化し、様々な分野のイノベーターが集う、大規模インキュベーションセンター「ARCH」を開設。日本独自のイノベーションエコシステムの拠点となることを目指しています。

・虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー

地上54階、地下4階、高さ215.25m(最高221.55m)、総戸数約550戸の超高層マンションです。 2021年1月末に竣工する予定で、虎ノ門ヒルズ全体の住宅戸数は、虎ノ門ヒルズレジデンスの172戸と合わせ、約720戸となります。

最高峰の住宅として、ディテールにまで徹底的にこだわり、成熟した日本ならではの住まいを提供。会員制の「ヒルズスパ」を併設するほか、低層部には約1,000m²の商業空間を設け、デッキを通じて虎ノ門ヒルズ 森タワーや虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーの商業空間とも繋げることで、虎ノ門ヒルズエリアにおいて快適な空間と豊かな暮らしを楽しめます。

・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー

上述の「虎ノ門ヒルズ駅」と一体化して開発されている、虎ノ門ヒルズの中で最も高い超高層タワーです。

まとめ

新型コロナウィルスの影響で、東京オリンピックの開催延期と言うこともあり、2020年6月にひっそりと暫定開業した感のある「虎ノ門ヒルズ駅」ですが、虎ノ門の開発は着々と進んでいます。

これまでの大規模再開発はJRの駅を基点として行われていましたが、このプロジェクトでは官民一体となって交通インフラの整備に始まり、「虎ノ門ヒルズ駅」を基点として、世界中のビジネスリソースを引き寄せる、そして世界へ影響を与える街を築き上げようとしています。

虎ノ門は、世界の都市と都心のビジネスエリアをつなぐハブとして、令和の日本経済の中心的存在として生まれ変わろうとしています。

2023年「虎ノ門ヒルズ駅」の本格開業とともに、『虎ノ門ヒルズ』の全面開業が待たれます。

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