SOHO(ソーホー)とは?自宅での仕事と生活を融合する新しい働き方の形

働き方改革が推奨され働き方が多様化する現代、小さなオフィスや自宅を仕事場とする「SOHO(ソーホー)」というワークスタイルが注目されおり、「SOHO(ソーホー)」というワードを耳にする人は多いかもしれません。

しかし、その一方で「SOHO」の意味が理解できていないという人も多いのではないでしょうか。

ここでは、初期投資費用を抑えたい個人起業家やスタートアップにもお勧めな「SOHO(ソーホー)」とは実際どんな物件なのか、オフィスとの違いは、メリット・デメリットなどを含め詳しくご紹介いたします。

目次

SOHO(ソーホー)とは?

大まかに言えば小規模事務所や自宅兼事務所の事を指す用語で、「Small Office Home Office」英文の頭文字を取ってSOHO(ソーホー)」と呼んでいます。

「財団法人日本SOHO協会」による「SOHO(ソーホー)」の定義について、情報通信技術を活用して事業活動を行っている従業員10名以下程度の規模の事業者を指します。

このビジネスモデルは、パソコンなどの情報通信機器を活用し、小規模なオフィスや自宅を作業場として、受託した仕事を行う働き方や、それに適した物件を指します。主に個人事業主、フリーランサー、在宅ワーカーなどがこの形態で仕事を行います。この働き方は、自宅を事務所として活用し、ビジネス活動を行う特徴を持っています。

SOHO(ソーホー)と一般オフィス物件の違いは? 

「SOHO(ソーホー)」物件と一般のオフィス物件との大きな違いは、以下の点です。

  1. 契約の種類: 「SOHO(ソーホー)」物件は、契約上は「住居契約」となり、住居としての利用が前提とされます。一方、一般的なオフィス物件は「事務所契約」となり、商業利用が前提とされます。
  2. 業務の制限: 「SOHO(ソーホー)」物件では、契約上住居用とされているため、営業可能な業務の種類に制限があることがあります。一般のオフィス物件では、商業活動を行うための制約は少ないです。
  3. 設備: 「SOHO(ソーホー)」物件は住居としての要件を満たす設備(お風呂、トイレ、キッチンなど)が通常備わっています。一方、オフィス物件は商業用途を前提としており、これらの住居用の設備が一般的には備えられていません。

要するに、「SOHO(ソーホー)」物件は住居兼事務所としての使用を前提とし、商業活動に一定の制約がある一方、一般のオフィス物件は純粋な商業利用ができる施設として提供されています。

SOHO(ソーホー)と自宅との違いは?

「SOHO(ソーホー)」物件と自宅との違いは以下の点にあります。

  1. 使用許可: 「SOHO(ソーホー)」物件は、居住用物件であるが事務所使用の許可を得た物件です。自宅を事務所として使用する場合、オーナーからの許可が必要です。無断で事務所として使用するとトラブルの原因になります。
  2. 税金と法的要件: 自宅と事務所の住所利用には税金や法的要件の違いがあります。固定資産税や消費税の税率、家賃収入に対する課税などが異なります。物件の用途が「居住専用」である場合、事務所利用をするためには登記上の用途変更が必要です。
  3. 法人化: 法人化して事業を行う場合、所在地の登記が必要です。居住専用物件の場合、所在地を登記することができないため、登記上の用途に注意が必要です。

簡単に言えば、「SOHO(ソーホー)」物件は、居住用の物件でありながら事務所利用の許可を得たもので、法的・税金的な要件をクリアしています。一方、自宅を事務所として使用する場合には、これらの要件を考慮し、オーナーとの調整が必要です。

SOHO(ソーホー)のメリット

SOHO(Small Office/Home Office)とは、自宅や小規模なオフィスを拠点として仕事を行うスタイルです。この働き方には多くのメリットがあります。

1. 働き方についてのメリット

まず、SOHOのメリットとして環境を自由に選択できる点が挙げられます。通勤の必要がないため、自身の状況や気分に合わせて、お気に入りのカフェ、図書館、自宅など、好きな場所で仕事ができます。これにより、快適な環境での労働が可能となり、創造性や集中力を高めることができます。

また、SOHOの魅力の一つは労働時間に制限がないことです。通常の会社勤務と異なり、定時出勤や残業の必要がありません。労働時間を柔軟に調整できるため、自身の生活リズムやプロジェクトの進捗に合わせて効率的に仕事を進めることができます。提出する納期を守れる限り、時間帯に縛られず、自分らしい働き方が実現します。

さらに、SOHOでは仕事量や内容を調整しやすい利点もあります。自身の体調や予定に合わせて仕事を計画し、柔軟に対応できるため、ストレスを軽減し、ワークライフバランスを向上させることができます。自分自身の調整が効くため、生産性が向上し、成果を最大化することが可能です。

2. 物件についてのメリット

オフィス物件に比べて賃料や初期費用が安い点が挙げられます。通常のオフィス物件では、保証金だけで最低でも賃料6か月分から10か月分以上が必要ですが、SOHO物件の場合、平均的には賃料の2か月分からスタートします。また、賃料自体もオフィス物件に比べて手頃であり、消費税がかからないため、経済的な負担が軽減されます。

さらに、高級賃貸物件がSOHO物件の主流です。一般的な小規模事務所物件は雑居ビルが多く、見た目や環境面で魅力に欠けることがありますが、SOHO物件は高級賃貸マンションであり、築年数も浅く、美しい物件が多いのが特徴です。快適な環境で仕事ができるため、クライアントやビジネスパートナーにも好印象を与えることができます。

また、SOHO物件では退去時にかかる費用が少なく、解約予告期間も短い点が魅力です。住居の性格を持つため、経年劣化に伴う汚れや損傷に関してはオーナーが負担することが多く、原状回復費用が軽減されます。解約予告期間も通常は2ヶ月前であり、オフィス物件の3~6ヶ月前と比べて柔軟なスケジュールを確保しやすいのが利点です。

さらに、SOHO物件は寝泊まりが可能で、24時間使用できるため、必要に応じて柔軟に働くことができます。寝泊まりに必要な設備が整っているため、長時間の作業や急なプロジェクトにも対応できます。

総括すると、SOHO物件は経済的で高級な物件が多く、退去時の費用や解約予告期間が短いため、多くの起業家やフリーランスにとって魅力的な選択肢となっています。

SOHO(ソーホー)のデメリット

SOHO(ソーホー)ワーカーの生活にはいくつかのデメリットも存在します。それらを以下にご紹介いたします。

1. 働き方についてのデメリット

収入の不安定性が挙げられます。通常の会社勤務と比較して、SOHOワーカーは定期的な仕事が保証されているわけではありません。仕事の依頼やプロジェクトによっては、月ごとの収入が大きく変動することがあり、また、クライアントによって支払いのタイミングが異なるため、収入の調整が必要です。収入の不確実性に対処するために、計画的な財政管理が必要です。

さらに、SOHOワーカーは仕事を受注するだけでなく、自ら営業活動を行って新たな契約を獲得する必要があります。庶務業務も自身で遂行しなければならないため、時間と労力を要し、仕事の効率を損なう可能性があります。これらの業務は、本業に集中する障害となることがあります。

また、自宅をオフィスとして使用する場合、仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちです。これは、仕事の優先度とプライベートのバランスを保つことが難しくなることを意味します。特に、自己管理が苦手な人にとっては、この境界線の曖昧さがストレスの原因となることがあります。

これらのデメリットにもかかわらず、SOHOワーカーには柔軟性や自己決定権などの多くの利点も存在します。個々の状況に合わせて、これらの課題に対処する方法を見つけることが重要です。

2. 物件についてのデメリット

来客に関して制限があります。自宅を住居として利用しながら仕事を行う場合、来客が多く、不特定多数の人が出入りする仕事には向いていません。住居としての機能を保ちながら仕事を行うため、来客に対する制約が存在します。プライバシーを確保するためにも、来客の管理が必要です。

また、SOHO物件では通常のオフィス物件とは異なり、看板の設置に制限が生じることがあります。ビジネスの可視性を高めるための看板を設置することが難しい場合もあります。したがって、ビジネス展開においては、他の方法で顧客にアプローチする必要があるかもしれません。

さらに、多くのSOHO物件では最大2回線までしか電話回線を引くことができません。通信インフラに制約があるため、通話やネットワーク接続に制限が生じる可能性があります。これを踏まえて、通信ニーズを適切に調整する必要があります。

最後に、SOHO物件にはキッチン、お風呂、トイレなどが居住用のスペース内に配置されていることが一般的です。そのため、専有面積の数字よりも実際の執務スペースが制約されることがあります。仕事スペースを確保するために、効果的な間取りの工夫が必要です。

SOHO(ソーホー)で営業可能な業務


自宅兼事務所での仕事が可能な業種は多岐にわたります。以下は、自宅での業務が比較的容易な業種の一部です。

  1. フリーランスのデザイナーやライター:クリエイティブな仕事は、特定の場所に縛られることなく、自宅の環境で集中して取り組むことができます。
  2. IT関連の仕事:プログラマーやウェブデザイナー、システムエンジニアなど、コンピュータを主要なツールとして使用する職種は、自宅での作業が容易です。
  3. コンサルタント:特定の業界や分野の専門家として、クライアントにアドバイスやサポートを提供する仕事も、オンラインミーティングツールを活用すれば自宅からでも可能です。
  4. オンライン教育・家庭教師:オンライン英会話講師や家庭教師など、教育関連の仕事も自宅から行うことができます。
  5. 手作り商品の製造・販売:アクセサリーやアート作品、手作りの食品など、自宅で製造し、オンラインショップで販売する業種もあります。
  6. 翻訳・通訳:文書の翻訳やオンラインでの通訳サービスも、自宅での業務が可能です。
  7. 会計・税務コンサルタント:クライアントの帳簿や税務処理を自宅で行うことができます。
  8. 心理カウンセラーやライフコーチ:オンラインセッションを通じて、クライアントのサポートやカウンセリングを提供することができます。
  9. リモートカスタマーサポート:顧客からの問い合わせ対応やサポート業務を、自宅から行うことができます。
  10. ブロガーやYouTuber:コンテンツの制作や編集、アップロードなど、自宅での作業が中心となります。

これらの業種は、物理的な場所に縛られることなく、自宅での業務が可能です。ただし、自宅での業務をスムーズに行うためには、適切な設備やツール、環境の整備が必要です。

まとめ

SOHO(ソーホー)物件は、働き方の多様性が広がる中で注目されており、今後ますます重要性が高まるでしょう。

物件を検討中の方、これから物件を探し始める方、自身の働き方や業務内容がSOHOに適しているか悩んでいる方、どんなご質問やお悩みもお気軽に当社にご相談ください。

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