【虎ノ門ヒルズプロジェクト】虎ノ門ヒルズを拠点にしたプロジェクトの全体像と都市づくり

東京都心における新たなランドマーク、【虎ノ門ヒルズ】は、都市開発の未来を映し出すプロジェクトの中核を担います。特に注目されるのは、2020年の東京五輪開催に先立ち供用開始が予定される東京メトロ日比谷線の新駅「虎ノ門ヒルズ駅」とその周辺の一体的開発です。

本記事では、虎ノ門一・二丁目地区市街地再開発準備組合によって推進されるこの革新的プロジェクトと、それによって生み出される新しい都市づくりの全貌をご紹介します。

新しい交通ハブの誕生とともに、都市の顔が変わる瞬間を目撃することになります。

目次

「虎ノ門ヒルズ」における都市づくり

参照:森ビル株式会社

虎ノ門エリアは、東京都港区における国家戦略特区プロジェクトの一環として、国際的ビジネス拠点地区へと変貌を遂げています。このエリアの再開発は、外資系や金融系企業の誘致を目的とし、グローバルビジネスの環境基盤整備、駅周辺の街づくり、そして環境・防災機能の強化に注力しています。

虎ノ門周辺開発の主な特徴

  • 日比谷線新駅「虎ノ門ヒルズ駅」の開業: 2020年6月に開業したこの新駅は、交通結節機能を大幅に強化しました。
  • 多機能な都市開発: 医療、宿泊、教育、交流施設など、外国人居住・生活サポート施設や高規格オフィス、インキュベートオフィスの整備が進行中です。

「虎ノ門ヒルズ」の展開

「虎ノ門ヒルズ 森タワー」竣工

2014年5月に「虎ノ門ヒルズ 森タワー」が竣工しました。
「虎ノ門ヒルズ」が起爆剤となり、周辺エリアでも都市再生の大きなうねりが発生することになります。

「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」が竣工

2020年1月に「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」が竣工しました。
「虎ノ門横丁」やインキュベーションセンター「ARCH」を擁するビジネスタワーです。

「虎ノ門ヒルズ駅」が開業

2020年6月に東京メトロ 日比谷線の「虎ノ門ヒルズ駅」が開業しました。
虎ノ門プロジェクトに大きな利便性をもたらします。

「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」が竣工

2022年1月に「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」が竣工しました。
グローバル水準のレジデンスを提供する住宅タワーです。

「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が竣工

2023年7月に「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が竣工しました。
新駅と一体的な開発で、交通インフラとも一体化したタワーです。

オフィステナントにとっての魅力

  • 地域の特性: 虎ノ門は霞ヶ関に近く、大使館や文化施設が集中する地域です。
  • 交通アクセス: 新駅開業により、東京都心部や臨海部、羽田空港へのアクセスが飛躍的に向上しています。
  • 多様なビジネス環境: 高規格オフィス、インキュベーションセンター、商業施設などがあり、ビジネスの多様性を支えます。

虎ノ門エリアの再開発は、東京を代表するグローバルビジネスセンターへと進化しており、新しいビジネス機会やイノベーションの創出の場として、多くの国際的なプレーヤーを惹きつけています。この進化するエリアにオフィスを構えることは、ビジネスの拡大とグローバルネットワークの形成にとって大きなメリットとなるでしょう。

「虎ノ門ヒルズ」エリア全体の概要

虎ノ門ヒルズ 森タワー

虎ノ門ヒルズ 森タワー

地上52階建て、高さ247mの超高層複合タワー「虎ノ門ヒルズ 森タワー」は、立体道路制度を活用して環状2号線と一体的に建築した、官民連携による象徴的なプロジェクトで、東京都が外国企業誘致を推進する「アジアヘッドクォーター特区」に位置します。

日本初進出のライフスタイルホテル「アンダーズ 東京」、最高スペックを備えたオフィス、抜群の眺望とともにホテルサービスを利用できる国際水準のレジデンス、さらに、大規模カンファレンス施設や多様な都市活動を最大限サポートする商業施設、約6,000m²のオープンスペースなどで構成。地上部の「新虎通り」は街の賑わいや活力を生み出す東京の新たなシンボルストリートとして整備され、環状2号線上部の広場や館内空間を活用した周辺も含めたイベントなども多数開催し、東京ならではの新しい魅力を世界に発信しています。

物件名虎ノ門ヒルズ 森タワー
所在地〒105-6390
東京都港区虎ノ門1丁目23−1
主要用途事務所、住宅、ホテル、店舗、カンファレンス 他
着工2011年4月
竣工2014年5月
規模地上52階、地下5階
延床面積238,642.82㎡
高さ247m
構造S造(一部SRC造、RC造)

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーは、約96,000m²の大規模オフィスと約7,600m²の商業施設を擁する、地上36階建ての超高層複合タワーです。

東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」や銀座線「虎ノ門駅」とも地下通路で連結し、1階には空港リムジンバスや都心部と臨海部を結ぶBRTも発着可能なバスターミナルも設置。環状第二号線が全面開通すれば羽田空港へのアクセスも大幅に向上することから、世界と都心部を繋ぐ新たな「東京の玄関口」として機能します。

また、4階には大企業の新規事業創発に特化し、様々な分野のイノベーターが集う約3,800m²の大規模インキュベーションセンター「ARCH」を開設。日本独自のイノベーションエコシステムの拠点となることを目指します。

物件名虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
所在地〒105-6490
東京都港区虎ノ門1丁目17−1
主要用途事務所、店舗、ビジネス支援施設 他
着工2017年2月
竣工2020年1月
規模地上36階・地下3階
延床面積172,925m²
高さ185m
構造S造、RC造、SRC造

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー

「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」は、地上49階建て、高さ約266m、日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅と一体的に開発した多用途複合の超高層タワーです。

グローバルレベルのオフィス、地下鉄駅前広場と一体となった商業施設、東京初進出のハイクラスホテルなどに加え、建物最上部には、新しい価値や体験、情報を発信する舞台となる情報発信拠点「TOKYO NODE」を開設。世界に向けて新たなビジネスやイノベーションを「発信する都市」へと進化します。

また、地上・地下・デッキレベルの重層的な交通ネットワークを強化・拡充することによって、「虎ノ門ヒルズ」の交通結節機能を大幅に強化すると共に、エリア全体の回遊性の向上と賑わいの創出に貢献します。

物件名虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
所在地〒105-0001 東京都港区虎ノ門2丁目6−1
主要用途事務所、店舗、ホテル、情報発信拠点、駐車場 他
着工2019年11月
竣工2023年7月
規模地上49階、地下4階、塔屋1階
延床面積238,642.82㎡
高さ約266m
構造S造(一部SRC造、RC造)

グラスロック(A-2街区)

参照:HILLS LIFE
物件名グラスロック
所在地〒105-0001 東京都港区虎ノ門2丁目6−1
主要用途店舗、駐車場等
着工2019年11月
竣工2023年7月予定
規模地上4階、地下3階
延床面積約8,800m²
高さ約30m
構造S造(一部SRC造、RC造)

虎ノ門ヒルズ 江戸見坂テラス

物件名虎ノ門ヒルズ 江戸見坂テラス
所在地〒105-0001 東京都港区虎ノ門2丁目6−1
主要用途事務所、共同住宅(12戸)、店舗、子育て支援施設、駐車場等
着工2019年11月
竣工2023年7月予定
規模地上12階・地下1階
延床面積7,986.11㎡
高さ約59m
構造S造(一部SRC造、RC造)

プロジェクトの特徴(都市再生への貢献)

新駅整備と連携した都市基盤の強化・拡充

  • 駅とまちをつなぐ立体的な駅広場(合計約2,500㎡ /地下2階~地上2階)の整備・鉄道~端末交通のシームレスな乗換えを実現する公共的駐輪場の整備
  • 新駅と周辺市街地、まちとまちをつなぐ重層的な歩行者ネットワークの整備(地上、地下、デッキレベル)
  • 虎ノ門エリアの多様な都市活動を支えるまとまりある広場空間の創出②国際競争力を高める都市機能の導入
  • 虎ノ門エリアの新たな象徴となるビジネス発信拠点を設置
  • 国際ビジネス拠点に相応しい国際水準の宿泊機能を設置
  • 外国人就業者・居住者等のための情報・交流拠点の導入により、周辺で導入が進む多様な
  • 機能との連携・役割分担を図り、エリア全体の国際競争力の向上に貢献する

環境への取組と防災機能の強化

  • 街区再編により、約750㎡の公園を整備
  • 区道1014号線の拡幅(幅員15m)及び歩道状空地(幅員6~7m)による赤坂・虎ノ門緑道の整備
  • エネルギーの効率的な利用と熱負荷低減への取組を進め、東京都建築物環境計画書評価制度における段階3を目指す
  • コージェネレーションシステム(CGS)や地域冷暖房(DHC)の導入によるエネルギーの効率的な利用を図る
  • 需給連携による高度エネルギーマネジメントシステムやBELSを用いたテナントエネルギー使用量実績開示システムを導入し、ソフト面の取組による環境負荷低減を図る
  • 災害時等、系統電力供給が遮断された場合、コージェネレーションシステム(CGS)と非常用発電機により、災害時に必要な電力を確保
  • 系統電力供給が遮断された場合、非常用発電機により約72時間分の電力を確保
  • 約950人分の帰宅困難者一時滞在施設と3日間分の受け入れに備えた防災備蓄倉庫を整備

③景観形成に関する方針

  • 虎ノ門新駅周辺エリアの中心にふさわしいまとまりと個性が共存した景観を形成する
  • 通りの連続性と駅前地区としての特殊性に配慮した沿道景観を形成する
  • 多様なまちの利用者の見る・見られるの関係を演出したにぎわい景観を形成する

虎ノ門ヒルズエリア全体の特徴

虎ノ門ヒルズエリアは、国家戦略特区プロジェクトの一環として、「国際新都心・グローバルビジネスセンター」としての発展を遂げています。このエリアは、国際的なビジネス拠点としての地位を確立し、様々な施設や機能を通じて、グローバルプレーヤーを引き寄せています。以下は、2023年12月19日現在の虎ノ門ヒルズエリアの主な特徴です:

オフィス

  • 面積: エリア全体で約30万m²のオフィススペースを提供。
  • 就業者数: 約3万人。
  • 特徴: 基準階3,000m²超のフレキシブルなフロアを備え、入居企業の事業成長をサポート。

インキュベーションセンター

  • 施設: 「ARCH」と「CIC」の2つのインキュベーション施設。
  • 機能: 日本の産業界をリードする約120社の大企業と、約250社の様々な規模・国籍の企業や自治体が集う。

レジデンス

  • 戸数: エリア全体で約730戸のグローバルレベルのレジデンス。
  • 設備: ミシュラン3つ星レストランやインターナショナルプリスクールを併設。

商業施設

  • 面積: 約26,000m²、約170店舗。
  • 特色: 「虎ノ門横丁」を含む多様な店舗が、グローバルプレーヤーの衣食住をサポート。

情報発信拠点

  • 「TOKYO NODE」: 多機能複合施設で、ホール、ギャラリー、レストランなどを備える。

カンファレンス施設

  • 「虎ノ門ヒルズフォーラム」: 3つのホールで約2,000名を収容できる最大規模の施設。

ホテル

  • 施設: 「アンダーズ 東京」と「ホテル虎ノ門ヒルズ」。
  • 室数: 合計約370室。

交通インフラ

  • 地下鉄駅前広場: 駅前広場「ステーションアトリウム」。
  • バスターミナル: 約1,000m²のバスターミナル。
  • 歩行者デッキ: 幅員20mの「T-デッキ」。

パブリックアートと緑地空間

  • パブリックアート: 各タワー内外に多くのアート作品を展示。
  • 緑地空間: 約21,000m²の豊かな緑地を創出。

虎ノ門ヒルズエリアは、国際ビジネスの中核となる最先端オフィス、イノベーションを促進するインキュベーションセンター、高級住宅、豊富な商業施設、カンファレンス施設、ホテル、そして優れた交通アクセスを備えた複合都市です。これらの施設は、国際的なビジネスやイノベーションの拠点として、東京の新たなランドマークとなっています。

まとめ

【虎ノ門ヒルズ】を中心としたプロジェクトは、東京の新しい顔を形作る画期的な取り組みとして、その完成を迎えました。東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」の新設は、都市の交通と生活を一新する大きな転換点となり、エリア全体の価値を高めています。

3棟の建物と地上・地下に広がる広場の整備は、単なるビジネス地区を超え、生活、文化、そして国際交流が融合する多機能の都市空間を創出しました。このエリアの進化は、東京がグローバル都市としてさらなる一歩を踏み出したことを象徴し、将来の都市再生モデルとして世界に示すものとなります。

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