どっちがお得? 自社ビルと賃貸オフィスのメリット・デメリットを比較してみた
オフィスには様々な形態があります。会社の大きさや、オフィスでの目的によってどのようなオフィスの形態が適しているのかは異なります。
では、自社ビルをオフィスにする場合と賃貸オフィスにする場合ではどちらが良いのでしょうかそれぞれのメリットとデメリットを紹介します。
自社ビル vs 賃貸オフィスはどちらがお得なのか?
昨今のオフィス市場は、テクノロジーの進化やリモートワークの普及、そして都市部の不動産価格の高騰など、多くの変動要因に影響されています。
このような背景を踏まえ、「自社ビル vs 賃貸オフィス」の選択において、どちらがお得かは、ビジネスの状況、目的、将来の展望、資金繰りなどの多くの要因によって異なります。
特に、都市部のオフィス物件の価格は上昇傾向にあり、その影響を受ける企業も少なくありません。以下に、それぞれの選択肢のメリットとデメリットを、現代のオフィス市場の動向を考慮して挙げ、比較します。
自社ビルのメリット
- 資産形成: 長期的に見れば、自社ビルは企業の資産として増加します。
- 固定費の安定: 賃料の上昇リスクがなく、固定費を安定させることができます。
- 自由な改装: ビルを所有しているため、内装や設備の変更に自由度があります。
- ブランドイメージの向上: 自社ビルは企業の信頼性やブランドイメージを高める要因となることがあります。
自社ビルをオフィスにするメリットとしては、なんといっても資産として残せることです。不動産資産が残り、減価償却費を計上できることに魅力を感じる方は少なくないでしょう。
もしも、自社ビルをローンで購入したとしても、ローンの支払いが完了すれば毎月の支払いがないまま資産として所有することができます。また、立地条件によっては、購入した時よりも物件を高く売却できる可能性もあるほか、移転する場合はそのビルを貸し出すオーナーとして賃貸での利益を得ることもできるかもしれません。
自社ビルのデメリット
- 初期投資が大きい: 土地や建物の購入には大きな初期投資が必要です。
- 流動性の低下: 資金を不動産に結びつけることで、資金の流動性が低下します。
- 維持管理費: ビルの維持や管理には継続的なコストがかかります。
自社ビルをオフィスにする際のデメリットとしては、購入費用は経費に計上できないこと、また自社のビジネススタイルの変化によって生じうる変化に対応しづらいという点があります。
そのため、自社のビジネススタイルとして新たな可能性を見いだせたとしても、自社ビルを保有している関係で思い切った変換ができないということもあるでしょう。さらに建物管理費用として固定資産税やビルそのものを定期管理するための費用が発生します。また、自社ビルの価値が購入時よりも下がってしまうと、売却する際に損失を出す可能性も考慮しておきましょう。
賃貸オフィスのメリット
- 初期投資が少ない: 購入費用が不要で、敷金や礼金、初月の賃料などの初期費用のみでスタートできます。
- 柔軟性: 契約期間が終了した後、ビジネスの状況に応じて移転や拡張、縮小が容易です。
- 維持管理の手間が少ない: 建物の大きな修繕や維持管理は大家の責任となるため、手間がかかりません。
賃貸のメリットとしては、初期費用が軽減されることや、建物管理をする必要がないこと、賃料が経費として計上できる点があります。
賃貸オフィスのデメリット
- 賃料の上昇リスク: 契約更新時に賃料が上昇する可能性があります。
- 改装の制限: 大きな改装や設備の追加には大家の許可が必要です。
- 資産形成が難しい: 賃料は経費として計上され、資産としての価値は形成されません。
反対に賃貸のデメリットとは、ビルの利用制限が定められているためが内装工事の範囲が制限されていたり、利用できる電話回線の数が定められていたりするということです。また、移転するたびに契約金や引っ越し費用が発生する点も忘れてはなりません。
とはいえ、自社ビルをオフィスにした場合のコストを考えると、基本的には賃貸の方が身動きをとりやすいのが実情です。自社ビルにすることでデメリットを上回る効果が望める場合はその限りではありませんが、明確な理由がなければ賃貸を選んでおくのが間違いないでしょう。
それぞれ向いている企業とは
自社ビルや賃貸オフィス、どちらが企業にとって最適かは、その企業の状況や目的、将来の展望によって異なります。自社ビルは、安定した経営基盤を持ち、長期的なビジョンを持つ企業に向いています。一方、賃貸オフィスは、柔軟にビジネスの変化に対応したい、または初期投資を抑えたいスタートアップなどに適しています。
自社ビルを選ぶメリットとして、企業のブランドイメージの向上や、自由な内装の変更が挙げられます。また、不動産を資産として持つことで、将来的な拡大や資金調達の際に有利となることもあります。一方、賃貸オフィスは初期投資が少なく、契約期間に応じて移転やサイズ変更が容易です。特に、急成長する業界や変化が激しい業界では、この柔軟性が求められることが多いです。
最終的には、企業のサイズ、業種、将来の展望などを総合的に考慮し、最適な選択をすることが重要です。専門のコンサルティング業者に相談することで、より適切な判断ができるでしょう。
まとめ
「自社ビル vs 賃貸オフィス」、企業にとっての最適な選択は一概には決められません。しかし、今回の比較から明らかになったのは、それぞれの選択には独自のメリットとデメリットが存在することです。
自社ビルを選ぶことは、長期的な資産形成やブランドイメージの向上、固定費の安定化などのメリットがありますが、高額な初期投資や維持管理の負担も考慮する必要があります。一方、賃貸オフィスは初期投資を抑えつつ、ビジネスの変動に柔軟に対応できるという大きな魅力がありますが、賃料の上昇リスクや改装の制限などのデメリットも考慮しなければなりません。
最終的には、企業の現状や将来の展望、資金繰りの状況などを総合的に考慮し、最適な選択をすることが求められます。この記事が、その選択の一助となれば幸いです。