備蓄倉庫の誕生

備蓄倉庫は、防災用品や食料などの防災用品を保管するオフィス施設です。
自然災害などの不測の事態に備えたもので、特に2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、大手不動産会社を中心に防災対策の一環としてすすめられています。

企業への災害対策を促進

2013年4月、東京都は災害時に発生する帰宅難民に備えた条例を成立させました。その内容は、従業員の一斉帰宅の抑制、従業員との連絡手段の確保するための事前の準備、駅などの公共施設における利用者の保護、生徒や児童の安全確保などが策定されており、自治体だけでなく企業にも対応を促しています。

各区の対応

また丸の内や大手町、神田など、日本有数のビジネス街を有する千代田区も、企業向けの防災対策をまとめて区のHPで公表しました。千代田区は昼間人口が夜間人の5倍以上あることから、60万人もの帰宅困難者が発生すると見込んでおり、東京都と同じく企業にも対策を講じるよう求めています。

備蓄倉庫の量と範囲は観光客まで

東京都や千代田区などの動きを受けて、高層オフィスビルや大規模な複合商業ビルを所有する大手不動産会社らが主導した取り組みが進められており、すでに十数万食分の防災用品がオフィス施設内にある倉庫に備蓄されました。
この数十万食という備蓄量は、災害などの不測の事態が発生してから公的な支援を期待できないとされる3日間分の物資に相当するもので、オフィス勤務のビジネスパーソンにくわえて、商業ビルに訪れた観光客分も考慮されたものです。
備蓄倉庫には、飲食物を中心に医薬品や紙おむつ、粉ミルクなどの赤ちゃん向け用品、発電機などの資機材、初期消火用品や救護活動用品、防寒具などが緊急事態に備えて保存されています。

災害対策は全国へ

オフィスビルに備蓄倉庫を設置する取り組みは、全国に広がりつつあります。大阪市内の高層オフィスビルでは、フロア一帯を災害用備蓄倉庫として利用する動きも出ており、オフィスビルを所有・管理する大手不動産会社が音頭を取る形で防災対策が進められています。

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