原状回復の定義

「原状回復」とは、借主が賃貸借契約を終了し賃借物件を貸主に明け渡す際、借りた時の状態に現状復帰する義務のことです。

原状回復の範囲

なお、オフィスにおける原状回復は、住宅のように損耗している箇所を修繕すればよいというものではなく、事務所を借りた当初の状態に戻し、かつ、原則これらの費用が全て借主負担となります。住宅の場合には、内容によっては多少手を加えた箇所について見逃してもらえることもありますが、オフィスの場合には床や壁、天井、照明、塗装などが借主によってずいぶん大きく変更されることが多く、貸主にとってはリスクが大きいためです。
もちろん、住宅と同様に、通常損耗で汚れたり破損したりしている箇所についても借主負担で修繕を行う必要があります。
マンションタイプを事務所で借りた場合の原状回復について
ちなみに、マンションをオフィスとして借りていた場合には、規模が小さく大きなリフォームが行えないため、通常の住宅用マンション同様のガイドラインに沿った原状回復で良いという判例が出ています。

明け渡しについて

もう一つ気を付けておきたいのが明け渡しのタイミングです。住宅の場合には、契約終了までに退去、明け渡し後に原状回復という流れですが、賃貸オフィスは契約終了の2週間前までに退去、契約期間中に原状回復工事を終わらせなければならず、住宅と比べて早めの手配が必要になります。仮に契約終了までに原状回復ができなかった場合には、工事が終了するまでの賃料を貸主に支払わなければなりません。

その他注意点

ただし、これらは一般的なオフィスの原状回復に関するルールですので、小規模なオフィスは住宅と同等の扱いになる可能性がありますし、あまりオフィスの仲介を行わない不動産業者であれば、住宅と同様のルールで原状回復をすればよい場合もあります。したがって、現在賃借しているオフィスの賃貸借契約の解除を検討する場合には、まず契約書の内容を一度見直しておくことをおすすめします。オフィス用の契約であれば、できるだけ早めに工事や退去の準備を始めましょう。

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