オフィスの会議室を最適に!~会議室のレイアウトのコツや注意点~
来客や面接、社内会議など、様々なシチュエーションでデザインと機能が求められる会議室や応接室はオフィスレイアウトやオフィスデザインをする中でも特に注力すべきポイントです。
応接室はコミュニケーションの取りやすい会議室やお客様と大切な商談など行う大事なスペースです。限られた空間の中で人数や使用目的などをしっかりと見極めることで、用途に応じたオフィスデザインが必要になってきます。
今回は、会議室のレイアウトのコツや注意点をご紹介いたします。
目的に沿ったオフィス会議室のレイアウト
会議室のレイアウトにはどのような種類があり、どのような用途で使い分ければよいのでしょうか。さまざまな形式が考えられますが、代表的なパターンをご紹介いたします。
(1)対等な立場が特徴的な「対面式」
対面形式のスタンダードタイプの会議室は、「3対3」や「6対6」のようにテーブルの両辺に同じ席数が向かい合った最もメジャーなレイアウトです。
全員が対等な立場で話しやすく、社内外での幅広い打ち合わせに適しています。
(2)プレゼン発表や社内報告に適した「コの字型式」
自然と身体が向き合う造りになっているため、コミュニケーションの活性化に最適とされています。コの字の空いている前方スペースにプロジェクターやホワイトボードを置くことができるため、ディスカッションや報告会議の頻度が高い企業に適しています。
(3)人数が多い場合や重役会議に向いている「ロの字型式」
長机を「ロ」の形に並べて、そのまわりに椅子を置く配置になります。「コの字型式」レイアウトと比較して空きスペースは少ないので、ボードやスクリーンの必要性がない会議で使用する形式です。参加者全員がお互いに顔を見合わせることができますので、皆が対等な立場で発言しやすい雰囲気になります。適度な距離感がありますので、あらたまった場にふさわしく、重役会議などにも適しています。
(4)すべての座席が演台に向かう「スクール式」
司会者や講師が部屋全体を見渡せながら話をすることができ、一方で参加者は机を使ってメモを取ることもできるため、講義型のセミナー会議室に適しています。
また机を配置せず、椅子のみ発表者に向けて設置するレイアウトを「シアター式」といいます。メモをとる必要がないような入社式や報告会などに適した形式です。多人数のセミナーや研修、上映会などに適しており、効率よく一定数の参加者を収容したい場合におすすめです。
会議室の内装デザイン
会議室のレイアウトのほかに、内装デザインによっても、オフィスの印象は大きく左右されます。例えば、壁や床、あるいはインテリアの色味や素材は、理想的な会議室をデザインする際に欠かせない要素です。
(1)照明
照明と一口に言っても、光の色、照射の方法によってもたらす効果は様々です。
例えば『昼白色』と呼ばれる自然光に近い白の照明は、雰囲気を明るくし活動的になるという効果があるため、ブレストミーティングなど活発な議論を必要とする場に向いています。
『電球色』と呼ばれるオレンジがかった白の照明は、安らぎを与え、脳をリラックスした状態にする効果があります。よく、レストランやバーで使われている照明を思い浮かべていただけると分かり易いと思います。プレゼンの場というよりは、相手をリラックスさせ、考えていることを聞き出す・話してもらう場に向いています。
(2)色
部屋の色によっても、人が受ける印象は大きく変わります。
例えば、オレンジや赤などの「暖色」と呼ばれる色は脳の働きを活発にするため、議論を広げていく場に有効です。
前述の机の並び・照明と合わせて考えると、暖色系の部屋に自然光に近い白の照明を組み合わせ、ラウンド型の机を配置することで、より活発な議論のできる場となります。
(3)インテリア
清潔感のある白やグレー、ブラックで仕上げるベーシックスタイル
明るく、すっきりとした空間は万人受け、誰にでも使いやすく受け入れられやすい、やさしいデザインです。(使用目的:来客面談、役員会議、プレゼンテーション)
ダーク系の木目やベージュで仕上げるフォーマルシックな重厚デザイン
品格があり落ち着いた空間は、安心感や安定感を与えるデザインです。
(使用目的:来客面談、役員会議)
先進的でモダンな印象を与えるクール&スタイリッシュ系
都会的で洗練された印象を与えます。(使用目的:来客面談、プレゼンテーション、セミナー)
明るい木目などで仕上げるカジュアル系
木目のぬくもりや優しさに加え、親しみやすさや活発な印象を与えることができます。
(使用目的:来客面談、ブレインストーミング会議、社内プレゼン、セミナー)
オリジナル系
会議室のチェアをあえて種類や色違いをチョイスすることで、明るく活発な空間に。
オリジナル性とインパクトで印象に残ります。
(使用目的:来客面談、ブレインストーミング会議、社内プレゼン)
会議室のレイアウトを検討する際の注意点とコツ
(1)自社で行われる会議はどういった用途のものが多いかを把握する
企業によっては、会議形式がある程度決まっている場合も多いです。全社会議や定例会議など大人数が参加する会議が多い、チームごとのミーティングや小さな打ち合わせが多いなど、いくつかの形式に分類できるのではないでしょうか。これまでの経験や現在の状況から、自社で行われる会議はどういった用途が多いのかを把握し、もっとも多い会議形式に合わせたレイアウトを考えましょう。
(2)用途に応じてレイアウトを変更できるような机、椅子を用意する
長机を用意しても折りたたみ式でもキャスター付でもなければ、異なる用途の会議に柔軟に対応することができません。用途に応じて複数の会議室を設置するスペースがあれば問題ありませんが、そうでない場合は、レイアウト変更に対応できる机、椅子を用意するとよいでしょう。
(3)会議室の広さと環境
一般的に狭い空間は活発な議論が生まれやすく、広い空間はリラックスした雰囲気になり冷静な意見が得られやすいといわれています。用途によって複数の会議室を用意することが最適ですが、スペースがない場合はパーテーションをうまく使うことで、会議を行う空間の広さを変えることをおすすめします。
また窓を設置しなければ集中力が高まる、壁をガラス張りにすればオープンな雰囲気になるなど、環境によっても参加者の意識は変わります。レイアウトとあわせて、会議を行う空間の広さや環境もしっかりと検討することが、活発な議論を生む会議室設置の重要ポイントといえます。
会議室不足を解消する方法
オフィスの会議室が取りにくく苦労したり、スペースがなく理想的な会議室の数やレイアウトができない場合も多く聞かれますので、解消方法をご紹介いたします。
(1)貸会議室の利用
近年、様々なエリアで貸会議室が目立つようになり、貸会議室を気軽に借りることができます。規模や立地などによって価格は異なりますが、貸会議室を代用することも有効です。長い目で見て算出する必要はありますが、会議室を新設するよりもコストをおさえられる可能性があります。
(2)予約システムの導入
ある時は会議室がいっぱいで、ある時はガラガラ。そんな事態は起こっていませんか? こうした不均衡は、予約システムを導入することで防ぐことができます。パソコンから簡単に会議室の空き状況並びに予約ができるようになるシステムを導入するのです。そうすれば、空いている時間にうまく会議を組み込むことができます。
(3)レイアウト変更をして、会議室を増やす
オフィススペースを変えずに会議室を増やすには、レイアウト変更が有効です。
大きめに作られている会議室が多いので、それを4人用などの小さめの会議室に変更していくなど、会社でどのような会議が多く行われているかを確認してレイアウト変更してはいかがでしょうか。
(4)オープンミーティングルームを用意する
会議室の他に、オープンスペースを設ける企業も増えています。これは、社員が自由に使えるようなスペースの必要性を考えてのことでもありますが、こうした空間を会議でも大いに利用することができます。
(5)リモート会議を導入する
最近では遠隔でありながらフェイストゥフェイスで打ち合わせができるリモート会議が一般化されつつあります。リモート会議を一般化させることで、会議室に使っていたスペースを省くことができ、さらに会議室の予約時間や会議室への移動時間なども削減することができます。
ご紹介いたしました会議室のレイアウトや活用方法をご参考に、実際の会議の様子や事業展開を具体的にイメージし、自社に最適な会議室をご考察いただければと思います。
なお、当社では、生産性向上のための会議室最適化について無料でアドバイスを実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。