オフィスの原状回復、費用はどれくらいかかる?

 通常、賃貸オフィスを明け渡す場合、原状回復をして借りた当時の仕様に戻さなければなりません。では、原状回復工事はいくらくらいかかるものなのでしょうか。賃貸オフィスの原状回復工事費用は、工事内容や工事可能な時間等、様々な要素で変わります。そのため、正確な見積を前もって算出するのは困難です。今回は、原状回復の費用の目安はいくらくらいなのか、費用を削減する方法はあるのかをご紹介いたします。

目次

オフィスの原状回復工事費用はいくらかかる?相場は?

 小規模オフィスの場合、坪単価3~4万円がオフィスの原状回復にかかる工事費用の相場です。中規模から大規模のオフィスの場合は坪5~10万円程度と考えておきましょう。ただ、あくまでも目安であり、造作の内容や工事業者によって幅があります。

 基準階が300坪を超えるSクラスやAクラスとなると、内装工事費は上昇しやすく、中小ビルに比べると何倍もの原状回復費用がかかるケースもあります。入居時に内装をどの程度の造作工事を行ったかによって、原状回復における工事費用は上下します。例えば、会議室や役員室などの個室を作る際は、空調吹き出しの増設や移設、スプリンクラーや火災報知器の増設といった防災工事を行います。原状回復工事では入居工事で行った工事と同じような項目の工事が発生すると考えてください。

また、原状回復は工事可能な時間によって費用が変化する例も多いです。通常、アパートやマンションの原状回復工事をする場合、日中の工事がほとんどです。対してオフィスの場合、別のテナントの業務時間中は音や匂いの発生する工事ができません。従って、土日もしくは夜間の工事が多くなります。夜間の工事は日中に比べて工賃が割高になる特徴があるため、オフィスの原状回復工事は高くなりやすいといえます。

正確な見積は難しい

 天井・壁・床を施工するオフィスの原状回復工事において、事前にある程度の見積もりは把握しておきたいものです。しかし実際には、正確な見積もりを算出する事は難しい傾向にあります。
なぜなら、入居内装工事と原状回復工事を行う業者が違うからです。入居工事はテナントが選定した業者で行うことがほとんどですが、原状回復工事は基本的に貸主の指定業者で施工を行うことになります。原状回復工事を行う業者としては、違う業者が行った工事の詳細を把握することは難しく、見積もりが大項目での試算になってしまうのです。

原状回復の費用を削減する方法

 オフィス移転の際は、原状回復以外にも、新しい設備の準備や引越し作業でなにかと費用がかかるものです。原状回復の費用をできるだけ抑える方法として、『居抜きで退居』と『コンサルタントの利用』があります。

居抜きで退去する

 居抜きでの退去というケースが最近は増えています。貸主の承諾を得ることが前提ですが、解約通知を提出後、原状回復工事の発注期限までに次の入居希望者が見つかれば、内装造作をそのままにして退去するという方法です。退去後に配線撤去や室内クリーニング程度の費用はかかりますが、原状回復工事を行うより費用は断然抑えられます。また、原状回復義務は次の入居者に承継することになります。

居抜きで退去する方法については別記事もご参照ください。

コンサルタントに依頼

 原状回復工事の費用を交渉する際は、まず専門のコンサルタントに相談しましょう。工事費用に詳しくない方の多くは、業者が出した見積もりに従う事しか出来ません。しかし、あらかじめコンサルタントに依頼して、ある程度の見積もりを先に確認させてもらう事で、原状回復の交渉を行える可能性が高まります。
専門のコンサルタントであれば、過去の事例により、支払い義務のない部分を指摘してくれたり、一般的な相場を教えてくれたりと、原状回復工事における費用の削減に役立ちます。適正に工事費を査定するには、建築業界の知識だけではなく不動産や法律、財務会計等の知識も求められるのです。そのため、業者に任せた成り行きで手続きするのではなく、専門業者を通した方が、費用の削減に繋がりやすくなります。
原状回復工事の費用は様々な要素が絡み合って決まっていくものなので、正確な数字を把握しておくのは難しいです。費用の削減を試みても、かえってマイナスに作用してしまう可能性もあります。ある程度の目安はありますが、正確な予算を把握し、コストカットをしたいという場合はやはりコンサルタントなどに依頼するのが確実でしょう。

解約通知書ダウンロード

解約予告の際の通知書のひな型をダウンロードできます。貸主により指定書式がある場合があります。詳しくは管理会社へお問合せください。

オフィス移転で

お困りではありませんか?


まずはお気軽にお問い合わせください。

オフィス移転で

お困りではありませんか?


まずはお気軽にお問い合わせください。

目次